2020.02.20

高血圧対策

健康食

食物繊維が塩分を排出させる?おいしい減塩料理のポイント

食物繊維が塩分を排出させる?おいしい減塩料理のポイント

塩分を抑えることが健康につながるとわかっていても、減塩料理は、おいしくないと感じる人も多く、なかなか続けることが難しい。
減塩料理を無理なく続けるために、利用したい栄養成分が食物繊維である。
今回は、食物繊維が減塩になる理由、手軽に食べやすく調理するポイントを解説する。

1.食物繊維が塩分を排出するしくみ

食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に分けられるが、塩分排出には水溶性食物繊維の方が効果的と言われている。

水溶性食物繊維は、水分を吸ってどろどろとした状態になることで、小腸で他の栄養素の消化・吸収の抑制、阻止に効果がある。この働きにより、体内に残っている余分なコレステロールやナトリウム、糖などを吸着し、塩分と伴に排出する。

また、食物繊維は、穀類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類など植物性食品に多く含まれている。これらの食材には、塩分を体外に排出する作用のあるカリウム、カルシウム、マグネシウムも豊富に含まれている。

このように、食物繊維には塩分を排出する効果があり、これらを多く含む食材を食事に積極的に取り入れることで、塩分を減らすことに役立つ。

2.食物繊維食材で減塩料理をおいしく

塩分を減らすために、減塩料理に取り組む方も多いが、先述の通り食物繊維には塩分を排出する効果があるため、食物繊維を意識的に摂ることも有効だ。

ここでは、食物繊維の摂り方を紹介していく。

また、厚生労働省が定める食物繊維の一日あたりの目標量は、男性で20g以上、女性で18g以上である。

根菜類やキノコを活用する

食物繊維が豊富な根菜類は、じっくり火を入れることでおいしさが増す。活性酸素を抑制する抗酸化作用もあり、動脈硬化の予防にもつながるため、積極的に取り入れたい。

また、うま味成分が豊富に含まれるキノコ類は、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含んでおり、「菌活」の代表的な食材にもなっている。便秘予防や低カロリーによるダイエット効果も期待できる。

海藻類やコンニャクで食感に変化を

昆布やわかめなどの海藻類、こんにゃくは、水溶性食物繊維を豊富に含んでいる。コレステロールの排泄作用もあり、積極的に取り入れたい食材だ。これらの食材はよく噛むことにつながるため、満足感につながる。

煮物の中に、昆布やこんにゃくを加えると、柔らかいだけでなく、しっかり噛むことができ、おかずにボリュームを出すことができる。

ナッツ類で食べ応えを

ミネラルや良質な脂質を含むナッツ類は、食材に取り入れると、満足感につながる。無塩のナッツを選び、和え物などに加えるのがおすすめだ。また、料理以外でも間食として取り入れると、栄養補給になる。

ナッツ類は、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富に含まれている。ビタミンCと一緒に摂ると、より効果が期待できるため、野菜類と一緒にとるとよいだろう。また、マグネシウムも多く含まれ、カルシウムと作用して血圧を整える働きもある。

ただ、適量であれば体にうれしいナッツ類も、摂り過ぎてしますと、カロリーも多く肌荒れの原因にもなるため、注意が必要だ。

3.高血圧予防で注目されるDASH食とは

アメリカで考案されたDASH食は、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維の豊富な野菜、果物、低脂肪の乳製品を積極的にとることで、塩分を排出し、血圧を抑えることを目的とした食事だ。

血圧を下げる効果が報告されており、高血圧を防ぐほか、肥満の改善にも有効といわれている。生活習慣を整えながら、DASH食を取り入れたい。

ただ塩分を減らすだけでなく、野菜や果物を多く食べる方法であることから、実践しやすく、アメリカでは、肉卵などコレステロールの多い食品を控えるよう勧めているが、日本人はたんぱく質が不足しがちであるため、魚や大豆製品などの良質なたんぱく質をとることが勧められる。

野菜類を多く取るため、自然にご飯などの炭水化物を減らすことができ、食べ過ぎ予防につながる。

4.まとめ

食物繊維は、小腸で他の栄養素の消化、吸収を抑制・阻止する作用があり、余分なコレステロールや糖、ナトリウムなどを体外へ排出する働きがある。

食物繊維を多く含む野菜類などは、塩分を体外へ排出する作用のあるカリウムなどを豊富に含む。

高血圧予防に役立つDASH食は、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維の豊富な野菜や果物、低脂肪の乳製品を積極的に摂ることで、塩分の排泄を促し、血圧を下げる。

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