2024.04.17

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血糖値とは|正常値や生活習慣・お酒との関係についても解説

血糖値とは|正常値や生活習慣・お酒との関係についても解説

健康診断で「血糖値が高め」と診断されたものの、血糖値とは何なのか、具体的にはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。血糖そのものは体内のエネルギー源として重要ですが、血糖値が高い状態が慢性的に続くと、やがて「糖尿病」と診断されてしまうかもしれません。

糖尿病になるのを防ぐためには、正常値を把握した上で、普段の生活習慣を改善することが大切です。この記事では、正常値や生活習慣・お酒との関係など、血糖値について気になる点を解説します。

1.血糖値とは何か

血糖値とは「血液中のブドウ糖(グルコース)の濃度」のことを指し、健康な人であっても食前・食後で変化する傾向にあります。人間が食事によって摂取するご飯・パンなどの炭水化物には糖分が含まれており、糖分は血液中に入って体のエネルギーとなります。

血糖値における重要なホルモンの一つが「インスリン」で、すい臓から分泌されたインスリンは、ブドウ糖を体内の細胞に取り込みエネルギー源とする作用があるとされます。体にとって余分なブドウ糖が、グリコーゲンに変換されることで血糖値が下がり、できたグリコーゲンは肝臓・筋肉に蓄えられます。

空腹になった場合は、すい臓から分泌される「グルカゴン」などの働きによって、肝臓などに貯蔵されているグリコーゲンを再びブドウ糖に分解します。このようにして、人間の身体は血糖値を一定に保っていると考えられています。

2.血糖値の正常値とは

健康な人の血糖値は、通常であれば約70-100mg/dlの範囲に収まるとされます(※1)。食事で血糖値が上昇したとしても、健康であれば血糖値が過剰に上がることはなく、概ね上限140mg/dlを目安としてコントロールされると考えられています(※2)。

※参考1:厚生労働省|e-ヘルスネット「血糖値」

※参考2:南東北病院|高すぎても低すぎても危険!!血糖値の話

しかし、糖尿病の人の場合、インスリンの分泌量が少ない・反応が悪いなどの理由から、食後2時間が経過しても血糖値が下がらないケースが見られます。また、仮に空腹時の血糖値が正常範囲であったとしても、食後に140mg/dl以上に上昇している人もいます。

食後の血糖値上昇は細胞から有害な活性酸素が発生する一因となり、血管の動脈硬化を進行させてしまう恐れがあります。よって、普段から適正な血糖値を維持できるよう生活習慣を整えることが大切です。

3.血糖値改善が期待できる生活習慣とは

健康診断で血糖値が高めと診断された場合であっても、次のような生活習慣を意識することで、血糖値の改善につながります。

食習慣を改善する

血糖値の改善を意識するのであれば、最初に食生活に注目したいところです。大阪市立大学医学部附属病院栄養部では、糖質の適切な摂取量を把握するため、糖尿病食などの入院患者への食事の主食・主菜・副菜の量的配分に着目した研究を行っています。

その結果、以下のような条件が食のベストバランスであると発表しています(※3)。

  • 主食(ご飯):主菜(肉・魚・卵):副菜(野菜)=1:1:1
  • エネルギー 550kcal前後
  • 炭水化物 50-55%
  • 野菜量 100g以上
  • 塩分 2.5g未満

※参考3:糖尿病ネットワーク「糖尿病では糖質の摂取量が重要 主食:主菜:副菜を「1:1:1」に調整」

食べ方の順番を意識する

炭水化物の前に野菜を食べると、食後の高血糖改善が期待できるため、食事を摂る際は先に野菜を食べるよう意識するとよいでしょう。おやつを食べる場合は、午後の早めの時間を意識して食べることで、夕食後に食べる場合に比べて血糖変動の改善が見込めます。

野菜には食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維は大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類に分かれます。このうち、多くの野菜に含まれているのは不溶性食物繊維で、胃や腸で大きく膨らみ、便通を促します。

これに対して水溶性食物繊維は、果物・海藻・大麦などに含まれており、糖質の吸収を緩やかにして食後血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。デザートを食べるのであれば、お菓子を果物に置き換えてみましょう。

食後に運動する

食後に軽い運動(散歩など)を行うことで、血液の中の糖が筋肉へ運ばれエネルギーとなるため、血糖値改善につながります。食後に家事をしたり、車を使わずに買い物したりすることで、無理なく運動できるでしょう。

4.飲み物やお酒は血糖値改善につながる?

「糖尿病に良い」とされる健康習慣として、食物繊維入りのお茶を飲むこと、お酒との付き合い方を見直すことなどがあげられます。以下、それぞれの習慣について、どのような効果が期待できるのか解説します。

食物繊維入りのお茶の効果とは

食物繊維配合をアピールするお茶の多くは「特定保健用食品(トクホ)」に分類され、難消化性デキストリンが配合されています。難消化性デキストリンは水溶性食物繊維であり、摂取することで糖質の消化・吸収を緩やかにする効果が期待できます。

お酒は蒸留酒ならOK?

「糖質の入っていない蒸留酒なら血糖値は上がらない」と考えている人も少なくありません。しかし、アルコールは肝臓内のグリコーゲンをブドウ糖に分解することを促進するため、一時的に血糖値を上げる恐れがあります。

適量である限り、アルコールにはストレス解消等の効果が期待できます。ただし、アルコールそのものの作用や、アルコールの代謝によって血糖値に影響を与えるリスクがある点には注意しましょう。

5.まとめ

血糖値は、食前・食後で変化する傾向にあるものの、健康であれば一定の値に収まるとされます。しかし、血糖値を上げる生活習慣を続けていると、なかなか血糖値が下がらず糖尿病に発展してしまう恐れがあります。

普段の生活の中で血糖値を改善するためには、食習慣を見直すなどの努力が求められますが、食習慣を自力で改善するのは決して簡単なことではありません。

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