2024.01.15

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炭水化物とは|種類や主な働き・摂取量の目安について解説

炭水化物とは|種類や主な働き・摂取量の目安について解説

普段の食生活において、炭水化物をどのくらい摂取できるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。実は、炭水化物にも摂取量の目安が存在しており、お腹が空いたから・運動したからといって無制限に食べてよいものではありません。

逆に、ボディメイク・健康管理を意識して炭水化物を制限するのも、決して好ましいことではありません。この記事では、炭水化物の栄養素としての特徴に触れつつ、具体的な種類や主な働き・摂取量の目安について解説します。

1.炭水化物とはどんな栄養素なのか

炭水化物とは、数多くの栄養素の中でも”身体を動かすエネルギー源”として重要な「3大栄養素」の1つです。3大栄養素には、炭水化物の他にたんぱく質と脂質があり、炭水化物は主に糖質と食物繊維で構成されています。

糖質は体内で消化吸収された後、すぐに脳・身体のエネルギー源になるという特徴があります。これに対して、食物繊維は消化できないため、体外に排出されます。

ただし、摂取したエネルギーすべてが消費されるわけではなく、消費されなかった分は体内に蓄えられたり排泄されたりします。炭水化物を摂らずに激しい運動をするようなことがあると、筋肉の分解が促進され筋肉量が減少し、結果的に代謝が低下してしまう恐れもあるため、毎日適量を摂取することが大切です。

2.炭水化物の種類や働きとは

炭水化物は、大きく分けて「消化できるもの」と「消化できないもの」に分けられ、消化できるものは糖質、消化できないものは食物繊維として分類されます。以下、それぞれの種類や特徴について解説します。

糖質

糖質は、糖類(単糖類・二糖類)、小糖類、多糖類、など複数に分類されます。これらはすべて、身体を動かすエネルギー源になるもので、消化・吸収の過程でブドウ糖に分解されます。

構造が複雑なほど、消化・吸収はゆるやかになる傾向があり、砂糖よりもオリゴ糖、オリゴ糖よりもでんぷんの方が消化・吸収は遅い傾向にあります。

なお、それぞれの分類と具体例は以下の通りです。

糖類 糖類 単糖類 ブドウ糖・果糖・ガラクトース
二糖類 砂糖・麦芽糖・乳糖
小糖類(オリゴ糖) 単糖が2個から10個程度結合した糖質
多糖類 デキストリン・でん粉・グリコーゲン
糖アルコール類 キシリトール・マルチトール
高甘味度甘味料 アセスルファムカリウム・スクラロース

※出典元:独立行政法人 農畜産業振興機構「糖質の種類」

食物繊維

食物繊維は、糖質と違って体内で消化されず、そのほとんどがエネルギー源にならず体外へ排出されます。ただし、人間の健康維持において整腸作用など重要な役割をはたしているため、第6の栄養素と呼ばれることもあります。

種類としては、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の2種類に分かれ、摂取する炭水化物の種類によって含有量は異なります。例えば、大麦(穀類/おおむぎ/押麦/乾)の食物繊維は100gあたり12.2gですが、白米(穀類/こめ/[水稲穀粒]/精白米/うるち米)の場合は0.5gとなっています(※1)。

※参考1:食品成分データベース ◎穀類/おおむぎ/押麦/乾 ◎穀類/こめ/[水稲穀粒]/精白米/うるち米

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は、摂取することで次のような効果が期待できます。

不溶性食物繊維

●大腸の粘膜を刺激し、水分・粘液の分泌を促す

●便のカサを増やし便通を促進する

水溶性食物繊維

●糖の消化吸収速度を遅め、急激な血糖上昇を抑える

●不要なコレステロール、ナトリウムの吸収を阻害する

3.炭水化物の摂取量の目安とは

厚生労働省の「日本の食事摂取基準(2020年版)」においては、炭水化物の摂取目標量がエネルギー比率で示されています。割合としては、全年代・性別に共通して”総摂取エネルギーの50%から65%”と定められています。

総摂取エネルギーの半分以上を炭水化物から摂取する形になるため、たんぱく質・脂質とのバランスを考慮して食べる分には、食べ過ぎるリスクは少ないでしょう。しかし、菓子・ジュース等を摂取してしまうと、一気にバランスが崩れる恐れもあるため注意が必要です。

なお、各年齢の1日あたりの推定エネルギー必要量は次の通りです。

年齢 男性(kcal/日) 女性(kcal/日)
12-14(歳) 2,600 2,400
15-17(歳) 2,800 2,300
18-29(歳) 2,650 2,000
30-49(歳) 2,700 2,050
50-64(歳) 2,600 1,950
65-74(歳) 2,400 1,850
75以上(歳) 2,100 1,650

※出典元:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版) 参考表2 推定エネルギー必要量(kcal/日)

4.炭水化物が不足した場合はどうなる?

ボディメイクの観点から、炭水化物の摂取量を制限しようと考えている人も多いかもしれません。しかし、3大栄養素である炭水化物を極端に制限すると、次のような問題が生じる恐れがあるため注意が必要です。

疲れがとれにくくなる

炭水化物に含まれる糖質の大部分はブドウ糖としてエネルギーに使われ、少量は人間の体内でエネルギー源「グリコーゲン」に変換された後、筋肉・肝臓に蓄積されています。余分なエネルギーの多くは脂肪になってしまうため、蓄積されたグリコーゲンが分解されてしまうと、エネルギー不足で疲れやすくなってしまうのです。

脳のパフォーマンスが落ちる

脳はブドウ糖を主なエネルギー源としており、基本的に1日中ブドウ糖を燃焼していると考えられています。炭水化物の摂取量が不足することで、必要十分な量のブドウ糖が脳にいきわたらなくなると、思考力が低下してしまう恐れがあります。

思考力が低下すると、物事を判断する力も鈍り、注意力も散漫になるでしょう。例えば、車の運転をしている場合、事故に遭遇するリスクも高くなるものと推察されます。

肝臓にかかる負担が大きくなる

ボディメイク等の理由から炭水化物を制限し、その代わりにたんぱく質をたくさん食べている場合、肝臓に負担をかけてしまう恐れがあります。肝臓には、体内の糖質が不足した際に”たんぱく質を糖類に変換する”働きがあり、その際にアンモニアを生成しています。

アンモニアは、尿素に変換して体外へ排出しなければなりません。炭水化物を摂取せず、糖質が不足した状態でたんぱく質を多く摂取してしまうと、尿素への変換回数が増えた分だけ肝臓に負担をかけてしまうリスクがあります。

5.まとめ

炭水化物は、たんぱく質・脂質と並ぶ3大栄養素の1つであり、脳・身体を動かすエネルギー源として欠かせない栄養素です。大きく糖質と食物繊維に分類され、主に糖質がエネルギー源となり、食物繊維には整腸作用・血糖上昇の抑制などの効果が期待できます。

炭水化物の摂取量を減らすことは、ボディメイクや健康管理の観点から有効とされますが、極端な制限はかえって健康を害する恐れがあります。糖質を意識しつつ栄養を摂りたいとお悩みの方は、1食あたりのおかずの糖質量を17.0g以下に抑えられる、ヘルシー御膳®の「【冷凍】糖質少なめセット」をご利用ください。

 

 

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