2019.10.24

介護食

介護食におけるソフト食とは?その特徴と作る際のポイント

介護食におけるソフト食とは?その特徴と作る際のポイント

介護食には、食べる力に合わせていくつかの種類がある。「ソフト食」とは舌でつぶせる程度に柔らかく調理した食事のことである。

ここでは、ソフト食はいつ始めたら良いのか、作る際のポイント、基本の作り方などを解説する。

1. ソフト食とは

ソフト食とは、食べる力が弱くなった方のために、柔らかく調理した食事のこと。
通常の料理では食べにくいが、ミキサー食にするほどではないという方におすすめである。

加齢や疾患などによって、咀嚼力や飲み込む力が落ちると、食事がうまく飲み込めず、誤嚥や栄養不足になる恐れがある。
そういった方でも安心して食事をとれるように、ソフト食には舌や歯茎で潰せる程度まで食材を柔らかくし、誤嚥を防ぐとろみがつけられている。

また、美しい見た目や食べごたえなど、食の楽しみを失わないような配慮がされているムース食などがあるのも特徴のひとつだ。

2.ソフト食を作る際のポイント

自宅でソフト食を作る際は以下のポイントを意識すると良い。

・柔らかく加工しやすい食材を選ぶ
└繊維の少ない野菜やミンチ肉や白身魚など
・舌や歯茎でつぶせる固さにする
└ミキサー、圧力鍋などを活用してスプーンで潰せる程度に
・スープ類にはとろみをつける
└片栗粉などのとろみ剤で水分を飲み込みやすくする

加工しやすい食材が多くなり、栄養の偏りが心配な場合は市販の介護食品なども合わせて利用すると幅が広がる。ただし、具材の大きさや固さが食べる力と合っているか、必ず確認すること。

また、自宅で作る際に、とろみが強すぎるとかえって誤嚥を招くことがあるため、飲み込む力に合わせた濃度の目安を、医師や栄養士に相談し、十分に注意する必要がある。

加齢や病状によって、口腔の状態は変化していくため、食事中は観察を欠かさず、その時々の様子に合わせた工夫をしていくこともポイントだ。

3. ソフト食の基本レシピ「白身魚の五目あんかけ」

前章で解説したポイントを押さえた簡単なレシピを紹介する。

白身さかなの五目あんかけ
<材料>
白身魚1切
人参、キャベツ、しめじ 各大さじ1
だし汁100ml
醤油 少々
片栗粉 大さじ1/2~※

①.野菜を小さい千切り、しめじをみじん切りにする
②.深めのフライパンで野菜を軽く炒め、上に白身魚を置く
③.だし汁を入れ、蓋をして蒸し焼きにする
④.魚を取り出し、皮と骨をとり、皿に盛り付ける
⑤.フライパンに残った野菜とスープに醤油と片栗粉を加え、ひと煮立ちさせる
⑥.⑤を魚にかけて完成

※片栗粉の量や魚の大きさは、食べる力に合わせて調整する

4.まとめ

ソフト食とは、噛む力や飲み込む力が弱い方でも食べやすい、柔らかく調理した介護食である。

食事中にむせる、食べにくさから食事量が減るなどの様子がみられたら、ソフト食にすることで誤嚥や低栄養を防ぐことができる。

自宅でソフト食を作る場合、柔らかく調理しやすい白身魚や鶏ミンチ、食物繊維が少ない野菜を選択するとよい。
水分にはとろみをつけることが重要だが、飲み込みやすいとろみ具合には個人差があるため、医師などに相談することが望ましい。

加齢などにより食べる力は常に変化していくため、食事中は必ず様子を観察し、体調に合わせた工夫を欠かさないようにしていくことが大切である。

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