2021.12.02

高血圧対策

健康食

血圧を食事で改善するには?食べて良い食材・悪い食材を徹底解説!

血圧を食事で改善するには?食べて良い食材・悪い食材を徹底解説!

血圧が気になった際に、真っ先に普段の食事を改善しようと考える人は多いだろう。実際、降圧治療のうち、非薬物療法には減塩を中心とした食事療法が含まれており、高血圧予防の観点からも重要と言われている。

塩分はさまざまな食事に含まれているため、正しく食材を把握することが必要だ。

そこで今回は、血圧が気になる方におすすめの食材と食生活のポイントについて解説する。

1.高血圧の方におすすめの食べ物

血圧の上昇が気になる方におすすめの食べ物を紹介していく。日常的に摂取することが望ましい。

水溶性食物繊維を多く含む植物性食品

果物や野菜に含まれるペクチンや昆布のぬめり成分のアルギン酸といった水溶性食物繊維には、ナトリウムを排出する働きがあるため、高血圧の予防に最適といわれている。

水溶性食物繊維を多く含む植物性食品としては、野菜や果物、穀類、豆類、きのこ類、海藻類がある。

特に納豆は水溶性食物繊維と、おなかの調子を整える不溶性食物繊維がバランスよく含まれており、手軽に取り入れられるためおすすめしたい。

食物繊維が豊富な食材を使った料理のポイントはこちら

ミネラルの多い食べ物

高血圧が気になるなら、血圧を下げるといわれるミネラルが多く含まれた食品を取り入れることも重要。血圧を意識したい人におすすめのミネラルはカリウム、カルシウム、マグネシウムの3種類だ。

カリウムは腎臓でのナトリウムの吸収を阻害し、排塩を促す働きがあるので積極的に取り入れたい。カルシウムは不足すると血中カルシウム濃度が上昇し、血管を収縮させ血圧が上がるため、摂取不足には注意が必要だ。さらに、マグネシウムにはカルシウムが血管を収縮させる作用を抑え、血圧を正常に保つ働きがある。

これら3つのミネラルと水溶性食物繊維をたくさん取り、反対に塩分と炭水化物を抑えた食事はDASH食と呼ばれ、高血圧対策に適した食事法として注目されている。

3つのミネラルを効率よく摂取できる食品はニンジン・アボカド・ブロッコリー・バナナといった野菜や果物、大豆や大豆製品、乳製品、干しエビなどが代表的だ。

カリウムが血圧に与える影響や豊富に含まれる食材についてはこちら

マグネシウムが血圧に与える影響や豊富に含まれる食材についてはこちら

不飽和脂肪酸を多く含む魚・油

不飽和脂肪酸は魚や植物油に多く含まれている。動脈硬化の原因となるコレステロールを減らし、血圧の低下も期待できる。

コレステロールにつながる動物性脂肪はなるべく避け、サラダ油・オリーブオイル・紅花油などの植物油を取り入れよう。また、DHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれるマグロやイワシやサンマなどの青魚もおすすめだ。

お菓子が好きならチョコレートを

血圧は気になるが大好きなお菓子はやめたくない、という方にはチョコレートが最適だ。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、血管を広げる作用が期待されている。

ただし、カロリーの過剰摂取を避けるため、カカオが70%以上配合されている高カカオチョコレートを1日25g程度食べると良いとされている。

チョコレートが血圧に及ぼす影響や詳細な摂取量についてはこちら

2.高血圧の方は避けたほうが良い食べ物

塩分の摂りすぎは血圧を上げるため、基本的に塩分の高い食べ物は避けることが推奨される。以下の食材は塩分量が多いため、日頃から食べる量に気を付けよう。

食材 食材の量 塩分量
梅干し 1個 約2.4g
塩鮭 1切 約1.8g
食パン 6枚切1枚 約0.8g
菓子パン 1個 約0.8g
はんぺん 1枚 約1.5g
さつま揚げ 1枚 約1.3g
焼きちくわ 1枚 約0.7g
ロースハム 1切 約0.3g
ウィンナー 1切 約0.3g
ベーコン 1切 約0.3g
カレールウ 1皿 約2.1g
固形コンソメ 1個 約2.2g

これらの他にも塩分の含まれる食材は多いため、まずは成分表をチェックする習慣を身につけ、1日の摂取目安量(1日6g)を超えないように心がけることが大切だ。

3.高血圧の方がとるべき食事のポイント

高血圧が気になる人は日々の食事でどのようなことに心がける必要があるだろうか?心がけたい食事のポイントについて紹介する。

減塩

日本人の血圧が高くなる原因の一つは、塩分の摂りすぎであると考えられているため、減塩に取り組むことは重要だ。一部の研究機関によると、塩分を取りすぎると血圧が上昇するため、食事から取る塩分を減らすことで血圧が下がるという研究結果もある。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」によると、減塩目標は6g/日とすることが勧められる。しかし、塩分を控えると、食事が物足りなく感じる場合もあるはずだ。

そこで注目したいのが減塩食である。減塩食を続けていると、味覚が濃い味に慣れてしまっていても徐々に薄味に慣れてくる。まずは外食の回数を減らす、卓上調味料は使用しない、麺類のスープは残すなど、できるところから塩分を減らしていく方法をおすすめする。

お酢などの酸味、香辛料、セロリ、大葉などの香味野菜といったものを利用するのも減塩方法の一つだ。

すべての食事を塩分の少ないものにすると物足りなく感じるため、「味付けのしっかりしたものを一品だけ用意する」「酸味を効かせたおかずを加える」など、メリハリをつけるのもポイントである。

減塩調理や排塩方法について詳しく知りたい場合はこちら

栄養バランス

栄養のバランスを意識することは高血圧予防にもつながる。

野菜や果物に多く含まれるカリウムにはナトリウムを排泄する作用があるため、意識的に野菜を取るようにしたい。

野菜や果物を積極的に取り入れると、栄養バランスが整い、肥満の予防にもつながる。

また、たんぱく質は、筋肉の材料であるが、血管を丈夫にする効果も期待できる。たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれるが、肉類ばかり食べるのではなく魚類も食べるようにすると、魚に含まれる質のよい脂が、血圧を下げるといわれている。

カルシウムは、マグネシウムとともに血圧を整えるため、ヨーグルトや牛乳などの乳製品を取るのもおすすめ。

ただし、乳製品などを意識的に摂取する場合は、脂質の摂りすぎにも気をつけるようにしたい。

節酒

高血圧に気を付けるなら、お酒をほどほどに控えることも意識したい。1日当たり、日本酒なら1合、ビール瓶1本までに抑えよう。

アルコールは血圧を一時的に下げるといわれているが、飲酒を続けていると血圧を上げる原因に変わる。また、飲酒習慣があり、お酒の量が多いほど高血圧になりやすい傾向がある。

少量であれば、人によってはリラックス効果もあるため、 飲酒自体が悪いわけではない。また、お酒の量の調整に加えて、休肝日を設けることでもより効果が期待できる。

4.高血圧の予防におすすめのレシピ

高血圧が気になる方向けに、塩分控えめでも満足できる料理レシピを紹介する。これらはいずれも、管理栄養士が監修したタイヘイの宅配弁当「ヘルシー御膳」に採用されているおかずなので、レシピ通りに作れば自宅で減塩食を再現できるはずだ。

材料・栄養価はすべて2人前量なので、分量は適宜調整すること。

豚肉と野菜のごま風味炒め

【材料】

豚小間  120g

キャベツ 50g

玉ねぎ  30g

ピーマン 20g

人参 15g

ごま油  4g

酒 30g

醤油 6g

上白糖 9g

白ねりごま 15g

 

【作り方】

<下準備>

キャベツはざく切り、玉ねぎは薄切り、ピーマンは細切り、人参は細めの短冊切りにする。

<調理>

①フライパンにごま油を流して中火にかけて、豚肉を色が変わる程度に炒める。

②①に野菜を加えて、しんなりするまで炒め、残りの調味料を加えて全体にからませる。

【ポイント】

ねりごまを炒めることで香りやコクが増すので、少ない調味料でもおいしく食べる事ができる。

【栄養価】

エネルギー 409kcal

たんぱく質 24.0g

食塩相当量 1.0g

 

大根と鶏もも肉の旨煮

【材料】

大根 150g

鶏もも肉 150g

ブロッコリー 50g

人参 50g

にんにく 1かけら

水 300g

めんつゆ(2倍濃縮) 大さじ1

塩 小さじ1/4

一味唐辛子 お好み

【作り方】

<下準備>

大根・人参は乱切り、鶏もも肉は一口大に切り、にんにくニンニクは縦半分に切り、包丁の腹でつぶす。ブロッコリーは茎と房を切り分けて塩ゆでしておく。

<調理>

①鍋に煮汁の材料とにんにくを入れて、強火にかけ、煮立ったら、大根と鶏肉と人参を入れて中火にする。再び煮立ったら落し蓋をして、弱火で10分程煮る。

②落し蓋をとり、さらに5分ほど煮て、火を止める。

③器に盛りつけて、ブロッコリーを添える。

【ポイント】

醤油のかわりにめんつゆを使用すると、旨味や香りで塩分を抑えることができる。

【栄養価】

エネルギー 451kcal

たんぱく質 29.4g

食塩相当量 1.7g

 

鶏肉となすの南蛮漬け

鶏もも肉 140g

酒 10g

なす 80g

サラダ油 5g

玉ねぎ  40g

赤ピーマン 25g

長ねぎ  5g

穀物酢  30g

減塩しょうゆ(こいくち)  15g

砂糖 5g

みりん  5g

唐辛子  0.02g

生姜 2g

こしょう 0.02g

【作り方】

<下準備>

なすを一口大に切り、玉ねぎ、赤ピーマン、長ねぎは千切りにする。鶏肉は一口大に切り、下味の酒につけておく。

南蛮酢:ボールに酢・減塩しょうゆ・酒・砂糖・みりんを合わせ、長ねぎ・しょうが・赤唐辛子・こしょうを加える。

<調理>

①鶏肉の水分をとり、フライパンに油をなじませ、キツネ色になるまで焼く。玉ねぎと赤ピーマンを加え、軽く炒める。なすは、色よく揚げる(素揚げ)。

②火を通した具材は、熱いうちに南蛮酢に漬け込む。途中で1~2回返しながら、30分ほど味がしみるまで漬けておく。

③皿に鶏肉や野菜を盛り、南蛮酢をかける。

【ポイント】

お酢には、料理全体の味を上手に引き立たせる働きがある。さらに長ねぎ・しょうが・赤唐辛子などの香味野菜を上手に取り入れると、いつもより塩分を減らしたメニューでも味がぼやけずおいしくいただけるだろう。

【栄養価】

エネルギー 462kcal

たんぱく質 26.2g

食塩相当量 1.6g

 

5.宅配弁当なら手軽にヘルシーな食事を楽しめる

塩分控えめのレシピを3食作れることが理想的だが、毎日レシピを調べて調理するとなると大変だ。そこで、塩分を控えたヘルシーな食事を手軽に楽しめるタイヘイの宅配弁当「ヘルシー御膳®」をおすすめしたい。

管理栄養士が選んだ栄養バランスの整った食事を、電子レンジで温めるだけですぐに食べられるため、いちいち塩分量を気にして調理する手間が省けるのは大きなメリットといえる。

また、弁当は自宅に届くため、在宅勤務や外出による感染リスクを極力減らしたいという方にも最適だ。

おかずのみの「ヘルシー御膳®おかず」は1食あたりエネルギー200kcal前後、食塩相当量2.5g以下となっている。ご飯などの主食はつかないため、炭水化物の量を調整したい方にはぴったりだ。

「ヘルシー御膳®おかず」の詳細はこちら

 

一方、おかず4品にご飯または麺がついた「ヘルシー御膳®主食付き」は1食あたりエネルギー360kcal前後、食塩相当量2.0g以下となっている。主食がついているのでしっかりとした食べごたえが特徴だ。高血圧予防に、まずは減塩から始めてみたいという方にもおすすめしたい。

「ヘルシー御膳®主食付き」の詳細はこちら

6.まとめ

高血圧が気になる方が食事をする場合は、1日当たりの塩分摂取量などに気を付けるとともに、水溶性食物繊維やミネラルが多く含まれる食品を選び、炭水化物や塩分を抑えたDASH食などの食事法を心がける必要がある。

忙しい毎日の中で意識して食事改善するのは大変だが、宅配弁当なども活用し、上手に高血圧対策に取り組んでみよう。

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