2020.05.07

介護食

高カロリー介護食のレシピとかかせない栄養素

高カロリー介護食のレシピとかかせない栄養素

個人差はあるが、歳を重ねると食が細くなったり、淡白な食材を好むようになったりする。それにより、必要なエネルギー量が足りないことや、栄養が偏ることも少なくない。介護食を食べている方はなおさらだ。
そこで今回は、少量でもしっかりとエネルギーを賄える高カロリー介護食のレシピと、積極的に摂ってもらいたい栄養素について解説する。

1.食べやすい高カロリー介護食のレシピ

一般的に高齢者は食が細くなりやすく、エネルギー不足に陥りやすい。高カロリーメニューを取り入れることで、少量でも必要なエネルギーが確保できるため、効率よく栄養を補う手段としておすすめだ。

まずは、自宅で作れて食べやすい、高カロリーの介護食レシピを3つ紹介する。

①.肉味噌うどん

<1人前>
・ゆでうどん  200g
・豚ひき肉   50g
・ねぎ     10g
・しょうが   3g
・サラダ油   小さじ1

<合わせ調味料>
・だし汁    30g
・赤味噌    大さじ1
・濃口醤油   小さじ1
・砂糖     小さじ1
・酒      小さじ1

<肉味噌の作り方>
1:計量カップなどに、だし汁、味噌、濃口醤油、砂糖、酒を混ぜて合わせ調味料を作る
2:ねぎは小口切り、しょうがはみじん切りにする
3:フライパンにサラダ油、ねぎ、しょうがを入れて熱し、香りが出たら豚ひき肉を加えて炒める
4:豚ひき肉に火が通ったら合わせ調味料を入れ、汁けがなくなるまで弱火で煮る

<盛り付け>
熱湯で温めたうどんを器に盛り、肉味噌をかける

肉をしっかり食べられる肉みそは、高カロリー・高たんぱくな料理である。うどんは高齢者でも食べやすく、季節によって温かいうどんと冷たいうどんに作り分けるのもおすすめだ。
食べにくさを感じる場合は、肉みそにだし汁を加えてミキサーにかけても水溶き片栗粉でとろみを付けても良いし、うどんを短くカットしたり、柔らかく煮たりして調整しよう。うどんの代わりにご飯やお粥にかけてもおいしく食べられる。

②.クリームシチュー

<1人分>
・鶏もも肉    60g
・塩こしょう   少々
・玉ねぎ     40g
・にんじん    20g
・じゃがいも   30g
・ブロッコリー  20g
・しめじ     20g
・バター     小さじ1
・小麦粉     小さじ2
・サラダ油    小さじ1

<スープ>
・固形スープの素 1g
・湯       80g
・牛乳      100g
・生クリーム   10g
・塩こしょう   少々

<作り方>
1:鶏もも肉は1口大に切り、塩こしょうで下味をつける
2:野菜類は食べやすい大きさに切る
3:玉ねぎ、にんじんをバターで炒める
4:玉ねぎがしんなりしてきたら、小麦粉を加えて炒め合わせる。
5:固形スープの素・湯で溶かしたものを4に加えて少しずつのばす。
6:煮立ったら牛乳と鶏もも肉、残りの野菜を入れて煮こむ
7:火が通ったら、生クリーム、塩こしょうで味を整える

シチューは肉や野菜が一緒に摂れて、バランスが取りやすいメニューである。食べづらい場合は、具材を細かく切る、ミキサーにかけるなど工夫すると良い。生クリームなどの使い道に困るようなら、市販のルウを活用しよう。

③.ビーフカレー

<材料>1人前
・牛こま切れ肉  40g
・じゃがいも   45g
・にんじん    20g
・玉ねぎ     40g
・サラダ油    小さじ1
・にんにく    適量
・しょうが    適量
・水       140cc
・固形ルウ    20g

<作り方>
1:じゃがいも、にんじん、玉ねぎは食べやすい大きさに切る
2:にんにく、しょうがはみじん切りにする
3:鍋でサラダ油を熱し、にんにく、しょうがを炒める
4:香りが出てきたら、1を加えてさらに炒める
5:玉ねぎがしんなりしてきたら水を加える
6:煮立ったら牛肉を加えて煮込み、固形ルウを加える
7:塩こしょう、濃口醤油、ウスターソース、カレー粉などで好みの味や濃度に整える

カレーは栄養バランスを取りやすく、食欲も増進させやすいのでおすすめだ。野菜の大きさやルウの濃度を調整すると飲み込みやすく調整できる。また、辛さの好みは個人差が大きい。又、むせる原因ともなるのであまり辛すぎないように注意したい。

2.日に必要なカロリーはどのくらい?

日本人の食事摂取基準2020年によると、1日に必要なエネルギー量は、65歳以上の男性で約2,000kcal、女性は約1,600kcal、75歳以上の男性で約1,800kcal、女性は約1,400kcalとされている。

これは目安であり、実際は年齢だけでなく活動量や身長、体重なども考慮して算出されるため、個人に合わせて計算することが必要である。介護食を自炊する場合は、一度主治医に相談してみると良いだろう。

3.介護食にかかせない栄養素

シニアの多くはご飯を毎食食べても、おかずの量が少なくなったり、漬物のみで食べていたりする人も多く、栄養不足になりやすい。アクティブシニア「食と栄養」研究会が2016年に行ったアンケートによると、シニアの健康維持に不足していると思う栄養素の上位はたんぱく質、ビタミン、ミネラルだった。

たんぱく質は免疫力や筋力の増加、ビタミンはアルツハイマーやうつ病の予防、ミネラルは骨粗しょう症や貧血予防、免疫力の増加と、それぞれ欠かせない成分である。

カロリーを確保することも大切だが、不足しがちな栄養素を上手に補いながらの介護食作りを心がけることが大切だ。

4.高カロリーな介護食を作るときのポイント

エネルギー不足にならないために、高カロリー食事を作ることは重要だが、同時に必要な栄養素が不足しないように気を配ることも忘れてならない。

4-1.食べやすいように調理する

食べにくさは食事量を減らすことに繋がる。大きな具材は細かく刻む、ミキサーにかけるなどし、適度なとろみがあればば飲み込むことも容易になる(ただし、とろみのつけ過ぎは逆効果であり、注意が必要)。

噛みやすい、飲み込みやすいなど個人の口腔内の状態、嚥下状態にあった工夫が必要だ。

4-2.栄養素が偏らないようにする

ご飯だけ、麺だけにならないよう、おかずを取る意識も大切となる。たんぱく質やビタミン、ミネラルなどを強化した栄養補助食品もあるため、食事やおやつに1品追加するのもよい。塩分の摂り過ぎを防ぐためにも、味付けが濃くならないよう注意したい。

4-3.調理方法を工夫する

食材にあった調理方法は、食べやすさに繋がる。煮込み料理などはパサつきにくく、食べやすいものが多いが、熱に弱い栄養素もあることから、生の食材も取り入れながらメニューを組み立てたい。

5.まとめ

シニアが好む食事は、量が少なく、栄養も偏りやすい傾向がある。カロリーを摂取することも大切だが、メニューが主食ばかりにならないよう、タンパク質やビタミン、ミネラルが摂れる、主菜や副菜をバランス良くそろえることが重要となる。

ただし、食べにくい料理では食も進まなくなるため、個人に合わせて食材の形状に工夫を凝らし、3食しっかり食べてもらえるようにしたい。