2020.02.20

血糖対策

健康食

食物繊維が血糖値を下げる!効果的な食物繊維の活用方法

食物繊維が血糖値を下げる!効果的な食物繊維の活用方法

血糖値が基準値よりも高くなると、血糖値を下げるためにどうしたらよいか、日々考えながら食事を取る方も多いだろう。
食事で血糖値を下げる方法はいくつかあるが、食物繊維も有効であることがわかっている。
今回は、食物繊維と血糖値の関係に加え、食物繊維が豊富に含まれる野菜、効果的な摂り方について解説する。

1. 食物繊維が血糖値を下げる

食物繊維を摂取することで、生活習慣病の発症リスクを減らす効果が期待されている。日本糖尿病学会の糖尿病ガイドライン2019によると、食物繊維を1日20g以上摂ると糖尿病の発症リスクを抑えることにつながるとされている。

では血糖値に絞った場合、どの程度の量でどういった効果が見込めるかを、これから解説していく。

食物繊維による空腹時血糖の低下

糖尿病ガイドライン2019によると、食物繊維の摂取量を増やして、血糖値の変化を観察したところ、一日平均18.3gの食物繊維を摂ることで、平均15.3mg/dlの空腹時血糖の低下が見られたと報告されている。

食物繊維の種類としては、穀類の食物繊維が糖尿病発症リスクを低くするという報告が多いため、穀物から食物繊維を摂ることがおすすめだ。また、食物繊維が多いほど、HbA₁c(1~2ヵ月前の血中血糖を推測する値)のレベルが低いという報告もある。

食物繊維によるセカンドミール効果

セカンドミール効果とは、1食目の内容が2食目の血糖値に影響を与える効果を指しており、食物繊維にはセカンドミール効果も期待できる。

例えば、朝食に食物繊維を多く含む食事を摂ると、食物繊維が胃腸に作用して、血糖値を上がりにくくし、昼食時も血糖値の上昇が抑えられるとしている。これは、大腸にある腸内細菌が、水溶性食物繊維をエサとして増え、短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)と呼ばれる酪酸や酢酸などを作ることが要因と考えられている。

腸の中に短鎖脂肪酸があると、インスリンの分泌を促すホルモン(GLP-1)が分泌され、血糖値の上昇を抑えることにつながる。

2.食物繊維の種類によって血糖値に与える影響は変わる

食物繊維は、消化・吸収されずに小腸から大腸まで届く食品成分で、水に溶ける水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つに分けられるが、どちらの食物繊維も胃に入り長くとどまる。

胃に入ると、水溶性食物繊維は水に溶けるため粘りが出て、不溶性食物繊維は、かさが増えていく。その後、ゆっくりと腸へ移動していくことで、血糖値の急上昇や食事後の血糖値上昇を抑制する。

また、水溶性食物繊維は、腸内細菌のエサとなるため、水溶性食物繊維をたっぷり摂ることで、腸内細菌の種類や数も増え、短鎖脂肪酸が多く作られるようになり、GLP-1も増える。

そのため、水溶性食物繊維のほうがより血糖値の上昇を緩やかにするために有用といわれる。

3.食物繊維の目安と摂取方法

ここまで、食物繊維の効果について解説してきたが、ここからはおすすめの摂取量や方法を説明する。

食物繊維は20g/日がおすすめ

糖尿病ガイドラインのデータでは、一日平均18.3gの食物繊維で効果が見られたが、基本的には日本糖尿病学会が推奨している20g/日を推奨する。

国民栄養調査によると、食物繊維の日本人の平均は14.4g/日であり、水溶性食物繊維3.4g、不溶性食物繊維10.6gとの結果がでており、水溶性食物繊維の摂取量が少ない傾向がある。※1

※1:水溶性と不溶性の摂取量はそれぞれの平均であり、1日の総摂取量平均のデータとは若干異なる。

水溶性食物繊維のおすすめ食材

水溶性食物繊維のおすすめは、穀類と豆類だ。水溶性食物繊維が多く含まれる、大麦、ライ麦、オーツ麦、インゲン豆、大豆、小豆、きな粉、納豆などを食事に積極的に取り入れたい。

穀類は、主食として取り入れやすいため、白いパンよりもライ麦パン、白米よりも大麦入りの麦ご飯などを選択するとよい。これらはGI値(食後の血糖値上昇度を示したもの)も低い食材である。

また、豆類は難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)が含まれ、腸内細菌のエサとなるためおすすめだ。難消化性でんぷんは、小腸内で消化されず大腸に届くため、食物繊維と同じような働きが期待されている。

その他、西洋かぼちゃ、ごぼう、干しそば、海藻類なども水溶性食物繊維を多く含む。

不溶性食物繊維のおすすめ食材

不溶性食物繊維のおすすめは、豆類だ。インゲン豆、グリンピース、小豆、大豆、おから、枝豆、きな粉などを取り入れたい。

その他、干し椎茸、アーモンド、落花生などのナッツ類も不溶性食物繊維を多く含む。

おすすめの食べ方

主食として食べられる穀類を、食物繊維が多く含まれる食材に変えることで、食物繊維の量を増やすことができる。そのため、洋食よりも和食を選択するほうが、食物繊維を取り入れやすくおすすめだ。

和食でよく食べられる根菜類の煮物や海藻、乾物などを食材に取り入れ、食物繊維の摂取量も増やしたい。

また、煎り大豆、きな粉、ナッツ類などは間食として取り入れるのも良い。食物繊維だけでなく、たんぱく質やビタミン、ミネラルの補給にもつながる。

食物繊維を含む食材は、よく噛むことができる食材である。食物繊維を意識して取り入れることで、食べ過ぎ予防にもなる

4.まとめ

食物繊維は、腸の中で重要な働きを担っている。生活習慣病の発症を抑えるとして、注目されているが、血糖値の上昇を抑える効果があることが期待されている。食物繊維を増やして血糖値を観察したところ、空腹時血糖が下がることが報告された。

食物繊維を多く含む食事を先に食べると、血糖値を下げる効果が期待され、次の食事を食べたときも同じように血糖値が下がるというセカンドミール効果があることもわかっている。

食物繊維の摂取目安量は20g/日である。日本人は14.4g程度しか摂取していないため、積極的に食物繊維を摂ることが大切。穀類、豆類に食物繊維が多く含まれている。毎食食物繊維がとれる食材を取り入れて、一日に必要な量を補いたい。