2025.11.27

高血圧対策

血糖対策

メタボ対策

健康食

LDLコレステロールを下げるには?食生活の見直しと日常習慣で無理なく改善する方法

LDLコレステロールを下げるには?食生活の見直しと日常習慣で無理なく改善する方法

健康診断でLDLコレステロール値が高いと指摘されても、自覚症状がないため放置してしまう方が少なくありません。しかし、血管の健康は将来の重大な病気を防ぐ要となります。

本記事では、LDLコレステロールが体に与える影響から、食事や生活習慣による具体的な改善方法まで、無理なく続けられる対策を詳しくご紹介します。

1.LDLコレステロールが高いとどうなる?放置できない理由

LDLコレステロール(低密度リポたんぱく質コレステロール)は、細胞膜やホルモンの原料となる生命維持に欠かせない物質です。肝臓で作られたコレステロールを全身の細胞へ運ぶ役割を担っています。しかし、「悪玉コレステロール」とも呼ばれるように、血液中に過剰になると深刻な問題を引き起こします。

  1. 血管壁への蓄積(プラーク形成): 血液中のLDLが増えすぎると、血管の内側の壁に入り込んで徐々に溜まり始めます。
  2. 酸化と動脈硬化の進行: 血管壁に溜まったLDLは酸化され、血管内で炎症を引き起こします。この炎症と蓄積によってプラーク(コレステロールの塊)ができ、血管が硬く狭くなる動脈硬化の主要な原因となります。

🚨放置できない!命に関わる重大なリスク

動脈硬化は自覚症状が出にくいまま進行し、プラークが破れて血栓ができると、以下の命に関わる重大な病気につながる危険性が高まります。

  • 心筋梗塞:心臓の血管(冠動脈)が詰まる
  • 脳梗塞:脳の血管が詰まる
  • 狭心症:心臓の血管が狭くなる

LDL値が高い状態を放置できないのは、自覚症状がないまま進行し、ある日突然、発作を引き起こす可能性があるためです。

📈 LDLコレステロール値を上げる主な要因

LDLコレステロール値が上昇する背景には、主に以下の生活習慣が関わっています。

  • 食生活の偏り: 肉の脂身、バター、チーズなど、飽和脂肪酸を多く含む食品の頻繁な摂取。
  • 運動不足・肥満: 脂質代謝のバランスが崩れやすくなります。
  • 喫煙・飲酒: 血管の健康を損ない、LDLコレステロールの酸化を促進します。
  • ストレス・睡眠不足: 自律神経の乱れが脂質代謝を悪化させます。

血管の老化は自覚症状が出にくいため、早期から食生活を見直すことが大切です。LDL値が高めの人は、食事改善と軽い運動を組み合わせて、段階的に下げることを目指しましょう。

血中脂質のバランスを整えるためには、単に脂質を減らすだけでなく、*不飽和脂肪酸(青魚、オリーブオイル)、食物繊維(野菜、海藻)、良質なたんぱく質(大豆製品)*などの栄養素を意識的に摂取することが重要です。

LDL値が高めな人は、食事改善と軽い運動を組み合わせて、無理なく段階的に数値を下げることを目指しましょう。

2.LDLコレステロールを下げる食生活のポイント

LDLコレステロールを下げるためには、食事による改善が基本です。特定の栄養素や食品を「積極的に摂るもの」と「意識的に控えるもの」に分けて、血中脂質のバランスを整えましょう。

積極的に摂りたい「 LDL 対策栄養素」

①食物繊維:コレステロールの吸収をブロック

食物繊維は、腸内でコレステロールを包み込んで体外へ排出を促し、吸収を抑制する重要な役割を果たします。
海藻類(わかめ、昆布、もずくなど)に豊富な水溶性食物繊維は、コレステロールを吸着して排出を促進します。
豆類、野菜、きのこも食物繊維と良質な植物性たんぱく質を供給し、脂質代謝の改善をサポートします。

②不飽和脂肪酸:血液をサラサラに、脂質の質を改善

良質な脂質は、LDLコレステロールを下げ、善玉のHDLコレステロールを維持する理想的な脂質です。
・青魚(サバ、イワシ、サンマなど)に豊富なEPA・DHAは、中性脂肪を減らし、LDLの酸化を防ぎます。週に2〜3回は食卓に取り入れましょう。
オリーブオイル、ナッツ類(アーモンド、くるみ)などに含まれる不飽和脂肪酸は、調理油を置き換えたり、おやつとして活用することで、脂質の質を改善できます。

③大豆製品:肝臓のコレステロール合成を抑制

・豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品に含まれる大豆たんぱく質は、肝臓でLDLコレステロールが作られすぎるのを抑制する作用があります。日常的に摂取し、動物性たんぱく質に偏りがちな食生活のバランスを整えましょう。

意識的に控えたい「リスクを高める脂質」

逆に控えたいのは、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む食品です。揚げ物、加工肉、バター、洋菓子などはできるだけ減らしましょう。これらの脂質は、体内でLDLコレステロールの生成を促進し、動脈硬化のリスクを高めます。

調理法を工夫することも重要なポイントです。

  • 揚げるより「蒸す・焼く・煮る」調理法を選びましょう。
  • 肉料理では脂身や皮を取り除くといった下処理を徹底しましょう。
  • 高血圧も動脈硬化の危険因子です。減塩を意識して味付けを控えめにすることも大切です。

これらの栄養素をバランスよく摂取し、継続的な食習慣の改善こそが、LDLコレステロール値を安定させるための最も確実な方法です。

3.LDLコレステロールを下げる生活習慣Q&A

LDLコレステロール対策を始める際、多くの人が気になるポイントをQ&A形式で紹介します。

Q.運動はどれくらいすれば効果がありますか?

A.1日30分程度のウォーキングや軽い筋トレを週5日行うと、脂質代謝が改善します。有酸素運動は中性脂肪を減らし、筋トレは基礎代謝を上げることで、総合的に血中脂質のバランスを整えます。

Q.アルコールは完全にやめた方がいい?

A.過剰摂取は逆効果ですが、厚生労働省の「健康日本21」で示される適量(日本酒1合180ml、またはビール中瓶1本500ml程度)なら問題ありません。適度な飲酒はHDLコレステロールを増やす効果もありますが、飲みすぎは中性脂肪を増加させるため注意が必要です。

Q.ストレスも関係ある?

A.慢性的なストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを招き、脂質代謝を悪化させます。十分な休息とリラックスする習慣が大切です。深呼吸、瞑想、趣味の時間など、自分に合った方法でストレスを解消しましょう。

4.LDLコレステロールを下げる一週間献立レシピ

毎日の食事で無理なくLDLコレステロール対策ができる、バランスの取れた一週間の献立をご紹介します。EPA・DHAを含む魚料理、食物繊維豊富な野菜、大豆製品を組み合わせた実践的なメニューです。

一週間の献立レシピ

曜日

メインコース

副菜1 (和え物)

副菜2 (汁物/その他)

ポイント

サバ缶と野菜のチーズ焼き

きのこのごま和え

豆腐とキャベツの減塩味噌汁

EPA/DHA、大豆たんぱく質、食物繊維

鶏むね肉と野菜の蒸し煮

ひじきと大豆の煮物

かぼちゃの豆乳ポタージュ

食物繊維、大豆たんぱく質、低脂質

イワシの梅煮

きんぴらごぼう

きのこたっぷりのお吸い物

EPA/DHA、水溶性食物繊維および不溶性食物繊維

厚揚げとキャベツの中華炒め

モロヘイヤのおひたし

わかめと玉ねぎの減塩コンソメスープ

大豆たんぱく質、食物繊維、低脂質

鮭のハーブグリル

アボカドとトマトのサラダ

大麦入り野菜スープ

オメガ9、食物繊維、低飽和脂肪酸

タラとあさりの酒蒸し

ほうれん草と卵のお浸し

具沢山の豚汁

低脂質、ビタミン、ミネラル

納豆とネギのオムレツ

切り干し大根の煮物

玉ねぎと人参の味噌汁

大豆たんぱく質、食物繊維、ビタミン

献立を成功させるための簡単調理のコツ

1.「魚」は缶詰を常備: サバ、イワシ、サンマなどの水煮缶は、開けるだけで主菜になり、EPA/DHAを効率よく摂れます。

2.油は「測る」習慣をつける: 炒め物やドレッシングに使う油は、必ず小さじ1〜大さじ1など計量スプーンで測って使いましょう。

3.大豆製品を活用: 納豆、豆腐は、肉の代わりに使用すると飽和脂肪酸を減らし、たんぱく質を増やすことができます。

4.食物繊維をまとめて準備: きのこ類やひじきは、まとめて作り置きしておくと、毎日の副菜にサッと使えて便利です。

5.風味を足す: 味が物足りないときは、塩分ではなく、生姜、にんにく、レモン、ハーブ、胡椒、酢などで風味を補いましょう。

このレシピの中から、特におすすめの月曜日のメニューを例に、詳しいレシピをご紹介します

月曜日 夕食:LDLコレステロールを下げる献立レシピ

<夕食メニュー>

プロジェクト

メニュー

LDLコレステロール対策のポイント

主食

もち麦入りご飯

もち麦の水溶性食物繊維(β-グルカン)がLDLコレステロールの吸収を抑える。

メインコース

サバ缶と野菜のチーズ焼き

サバのEPA/DHA(オメガ3脂肪酸)が中性脂肪・LDLコレステロールに作用。

副菜1

きのこのごま和え

きのこの食物繊維と、ごまの不飽和脂肪酸(オメガ6, 9)や抗酸化成分を摂取。

副菜2

豆腐とキャベツの減塩味噌汁

味噌汁で大豆たんぱく質を確実に補い、LDLコレステロールの改善をサポート。

主菜: サバ缶と野菜のチーズ焼き

サバ缶のEPA/DHAと、野菜の食物繊維、チーズのカルシウムを一度に摂れるメイン料理です。醤油などの塩分を使わず、チーズと胡椒で味付け。

<材料(1人分)>

食材

サバ水煮缶

1/2缶 (約75g)

玉ねぎ※

1/4

ピーマン※

1

エリンギ(または他のきのこ)※

1/2本

ピザ用チーズ

10〜15g

こしょう

少々

オリーブオイル

小さじ1/2

※その季節に旬の野菜を活用するとさらに美味しくいただけます!

作り方
1. 玉ねぎは薄切り、ピーマンとエリンギは細切りにする。
2. 耐熱容器にオリーブオイル(小さじ1/2)を薄く塗る。
3. サバ缶は汁気を軽く切って容器に入れ、ほぐす。(汁は少量であればかけても良いが塩分注意)
4. その上に切った野菜ときのこを乗せ、こしょうを振る。
5. 最後にピザ用チーズを全体に散らす。
6. オーブントースターでチーズに焼き色がつくまで(約5〜7分)焼いたら完成。

副菜1:きのこのごま和え

きのこの食物繊維、ごまの不飽和脂肪酸や抗酸化成分を摂れる副菜です。
めんつゆや醤油を極力減らし、ごまの風味で満足感を出します。

<材料(1人分)>

食材

しめじ・えのき・舞茸など

合わせて約50g

ほうれん草

2株

A:すりごま(白)

大さじ1

A:減塩めんつゆ or 醤油

小さじ1/3程度

A:砂糖

小さじ1

作り方
1. きのこ類は石突きを取り、小房に分ける。ほうれん草は食べやすい長さに切る。
2. 鍋に湯を沸かし、きのこ→ほうれん草の順に茹でる。ザルにあげて水気をよく切る。
3. ボウルにAの調味料を混ぜ合わせる。
4. 茹でたきのことほうれん草を加えてよく和えたら完成。

副菜2:豆腐とキャベツの減塩味噌汁

大豆たんぱく質とカリウム・食物繊維をプラスする、バランスの取れた組み合わせです。具材を多くし、出汁の風味をきかせて味噌を減らしましょう。

<材料(1人分)>

食材

絹豆腐

1/8 丁

キャベツ

30グラム

長ネギ(小口切り)

適切な量

だし(かつお・昆布だし)

200ml

味噌(減塩推奨)

小さじ1/2以下

作り方
1. 鍋に水とだし(パックまたは顆粒だし)を入れ、沸かす。
2. キャベツはざく切りにする。豆腐はさいの目に切る。
3. 鍋にだしを入れ、キャベツを加えて柔らかくなるまで煮込む。その後、豆腐を加える。
4. 火を止めて、計量した味噌を溶き入れる。再度、弱火で温め(煮立たせない)、器に盛り付け、長ネギを散らしたら完成。

主食:もち麦入りご飯(1膳)

もち麦の割合はお好みで調整できますが、まずは続けやすい「3割もち麦ごはん」の分量です。
※もち麦は洗わなくて良いものが多いですが、商品によっては洗う必要がある場合がございます。袋の表示を必ずご確認ください。

<材料(1人分)>

食材

白米

1箱(150g)

もち麦

50g(米カップ約1/3)

白米1合分の水(約200ml)

もち麦追加分の水

100ml

作り方
1. 白米を洗い、炊飯器に入れ、白米1合分の水の目盛り(約200ml)まで水を入れます。
2. もち麦50gともち麦追加分の水100mlを加え、軽く混ぜます。
3. 30分~1時間ほど浸漬させると、美味しく炊き上がります。
(長時間(一晩など)の浸漬は、麦のにおいを感じやすくなることがあるため避けてください。)
4. 通常の白米モードで炊飯します。
5. 炊き上がったら、しゃもじを濡らして、底から返すように全体をさっくりと混ぜて完成です。

※より手軽にするため、市販の雑穀米ミックスを白米に混ぜて炊くのもおすすめです。ファミリーセット内でも販売中です👇

5.継続しやすい食習慣とタイヘイファミリーセットの活用

LDLコレステロールの改善は、短期間ではなく「無理なく続ける」ことが成功の鍵です。忙しい人ほど、栄養バランスを保ちながら手軽に食事管理できる工夫を取り入れましょう。

日々の食事で心がけたいのは、1日1食を脂質控えめメニューに置き換えることです。朝食や昼食のどちらかを、魚料理や豆腐料理中心にすることで、無理なく脂質摂取量を調整できます。外食や惣菜を選ぶ際は「揚げ物を避ける」「食物繊維を意識して野菜多めにする」ことを心がけることで、外食時でも健康的な選択が可能になります。

週末に作り置きをして食生活を整えることも効果的です。きんぴらごぼうやひじきの煮物など、食物繊維豊富な副菜を作り置きしておけば、平日の食事にすぐに加えられます。

タイヘイファミリーセットの「ヘルシー御膳」シリーズは、専門医・管理栄養士監修の献立で、エネルギー・塩分をバランス良く調整しています。魚や豆腐、野菜を中心にした和食メニューが豊富で、栄養バランスが整えられます。調理の手間なく、電子レンジで温めるだけで本格的な健康食が楽しめるため、忙しい日も手軽に健康的な食事を続けられるようにします。

6.まとめ

LDLコレステロールを下げるためには、食生活の改善と生活習慣の見直しを組み合わせることが重要です。食物繊維、EPA・DHA、不飽和脂肪酸、大豆たんぱく質などの栄養素を意識的に摂取し、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を控えることで、血中脂質のバランスを整えることができます。

運動習慣の確立、適度な飲酒、ストレス管理など、総合的なアプローチによって、より効果的にLDLコレステロール値を改善できます。大切なのは、極端な制限ではなく、無理なく続けられる方法を選ぶことです。
日々の小さな積み重ねが、将来の健康を守る大きな力となります。今日から始められる改善策を一つずつ実践し、健康的な生活習慣を身につけていきましょう。

 監修者プロフィール

 萩原(Hagiwara)

管理栄養士フードスペシャリスト

東京家政学院大学 管理栄養士専攻 卒業後、タイヘイ株式会社で社員食堂・寮向けの献立作成や介護食の開発を担当。本記事を含め、多数の健康コラムを管理栄養士の観点で監修。血圧や血糖値・糖質や塩分の制限などを受けている方や忙しい方が時短・簡単に栄養バランスのとれた食事をご家族に提供できるよう、毎日おいしく健康的な食生活をサポートします。

\健康を気にかけているあなたに!/ タイヘイ管理栄養士監修 たった30秒でできる あなたにおすすめの食事診断