2025.09.01
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骨密度は食生活で改善できる?おすすめの食べ物や注意点を解説
骨密度は、生活習慣や加齢により低下するリスクが高まるため、できるだけ早めに対策を講じたいところです。骨密度が気になり検査を受けたところ、自分が思っていた以上に数値が悪く、落ち込んでしまう人は少なくありません。
普段の生活の中で骨密度の数値を改善するためには、骨の主成分であるカルシウムそのものを食事から摂取するほか、骨形成をサポートする食材も同時に摂取するよう習慣づけることが大切です。この記事では、骨密度を食生活から改善する方法について、おすすめの食べ物や注意点と併せて解説します。
目次
1.骨密度と食生活の関係性
骨密度とは、骨の中に含まれるミネラル(カルシウム・リン)の量から骨の硬さ・丈夫さを示すもので、一般的には骨密度が高いほど骨折のリスクが低くなるとされます。骨密度が低下すると「骨粗しょう症」となり、骨密度が高い人に比べて骨折しやすくなる傾向にあります。
厚生労働省によると、加齢は骨粗しょう症の主な要因の一つとされますが、一方で食生活の工夫により骨密度低下を最小限に抑えられることも示されています。(※1)
また、女性は閉経後に骨の健康を保つ働きがある「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量が減少することが影響し、骨の再構築スピードが遅くなり骨密度が低下しやすくなると考えられています。よって、女性は普段から食生活に気を配り、骨密度低下を防ぐことが重要です。
参考1:厚生労働省「健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-02-007
2.骨密度を食生活で改善する基本方針食生活の観点から骨密度を高めるためには、次の点を意識して食事から栄養素を摂取することが重要です。
骨の形成に役立つ食べ物を選ぶ
骨や歯の主要な構成成分となるカルシウム、体内でカルシウムの吸収をサポートする役割を担うビタミンD、骨を形成するのに必要なたんぱく質の働きを助けるビタミンKといった栄養素を含む食べ物は、骨の形成に役立つことでよく知られています。具体的な食べ物の種類は以下の通りです。
- カルシウム:乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)、木綿豆腐、サバ、小魚など
- ビタミンD:卵黄、干ししいたけ、うなぎなど
- ビタミンK:納豆、ほうれん草、小松菜など
骨密度を低下させる食べ物を避ける
骨の形成に役立つ食べ物を積極的に摂取するのと合わせて、骨密度の低下につながる恐れがある食べ物を避けることも大切です。カップラーメンやハム、ポテトチップスといった塩分が多い食べ物をたくさん食べると、カルシウムが体外へと排出されてしまうリスクが高まるため注意しましょう。
飲み物にも気を付けよう
普段飲んでいる飲み物の種類に気を付けることも、骨密度低下を避ける上では重要なポイントの一つです。次にあげる飲み物は、飲み過ぎないよう注意してください。
飲み物の種類 |
理由 |
目安量・対策 |
カフェインを多く含む飲み物 |
利尿作用があるため、たくさん飲むと尿と一緒にカルシウムも排出される恐れがある |
コーヒーはマグカップで約3杯までが目安 |
アルコール |
過剰に摂取すると骨の形成が抑制され、骨密度の低下につながる |
男性は1日平均純アルコール20g程度、女性は10g程度が望ましい(男性はビール500ml、女性は250mlが一つの目安) |
清涼飲料水 |
添加物としてリンが含まれているものがあり、過剰摂取が体内でのカルシウムの働きに悪影響を及ぼすリスクが高まる |
コーラやジュースなどをよく飲む人は、麦茶やルイボスティーといった無糖・ノンカフェインの飲料に置き換える |
バランスの良い食生活を心がける
身体を健やかに保つには、骨の健康に良い食べ物だけを選ぶのではなく、その他の栄養素もバランス良く摂取することが大切です。カルシウム・ビタミンD・ビタミンKといった栄養素に偏ることなく、身体をつくるたんぱく質、エネルギーの産生や代謝をサポートするビタミンB群、皮膚や粘膜の健康維持に貢献するビタミンCなど、幅広い栄養素を食事から摂取しましょう。
たんぱく質は、肉や魚、豆、乳製品など幅広い食材に含まれており、毎食の献立にも加えやすいでしょう。ビタミンB群は豚肉や玄米、大麦などから、ビタミンCはフルーツ、生野菜などから摂取できます。
3.食生活による骨密度改善のQ&A
骨密度低下を防ぐ食生活を続けるにあたり、多くの人が気になるポイントを、Q&A形式でご紹介します。
Q.カルシウムを優先して摂取すべき?
A.骨密度を高めるにあたり、カルシウムの摂取は確かに重要ですが、カルシウムだけを多量に摂取してもビタミンD、ビタミンKがなければ骨作りにカルシウムを活かすことができません。よって、普段の食事では様々な食品をバランスよく摂取することが大切です。
Q.男女それぞれでおすすめの食べ方はある?
A.男性・女性それぞれで骨密度低下のリスク要因は異なり、意識するポイントにも違いがあります。男性の場合、筋肉量の低下が骨密度低下につながる点に特に注意して、たんぱく質を摂取することが重要です。
女性の場合は、女性ホルモンに似た作用が期待できる「イソフラボン」を摂取できるよう大豆製品を摂取し、その他に骨の形成に役立つ食べ物をバランスよく摂取しましょう。
Q.骨密度改善の食生活って続けられるの?
A.完璧な献立を考えようとすると長続きしないため、普段の食事に「ちょい足し」することを意識すると続けやすくなります。例えば、次のような方法がおすすめです。
- ご飯にしらす干しを混ぜ込む
- 味噌汁に豆腐を入れる
- 常備菜として小松菜のおひたしを用意する など
4.骨密度改善が期待できるレシピ
骨密度の改善につながる食材を使った、美味しいレシピをご紹介します。
オイルサーディンと小松菜のチーズ焼き
骨ごと食べられるオイルサーディンと乳製品、緑黄色野菜を組み合わせた、骨密度アップの最強トリオレシピです。調理時間約15分で、骨密度アップに欠かせない栄養素がぎゅっと詰まった一皿です。オイルサーディンの旨味とチーズのコクで、野菜も美味しくたっぷり食べられます。
【材料(2人分)】
- オイルサーディン(缶詰):1缶(総量約100g)
- 小松菜:2株(約100g)
- 玉ねぎ:1/4個(約50g)
- しめじ:1/2パック(約50g)
- ピザ用チーズ:40g
- マヨネーズ:大さじ1(約12g)
- しょうゆ:小さじ1/2(約3g)
- 塩、こしょう:少々
【作り方】
①小松菜はよく洗い、3〜4cmの長さに切ります。玉ねぎは薄切り、しめじは石づきを取ってほぐします。
②耐熱皿に玉ねぎ、しめじ、小松菜の順に乗せ、塩、こしょうを軽く振ります。
③オイルサーディンを缶のオイルごと全体に乗せます。
④マヨネーズとしょうゆを混ぜ合わせたソースをかけ、最後にピザ用チーズを散らします。
⑤オーブントースター(または220℃に予熱したオーブン)で、チーズにこんがりと焼き色がつくまで10〜12分ほど焼いたら完成です。
★骨密度UPのポイント
オイルサーディン
骨ごと食べるため、カルシウムが豊富。さらにビタミンDも多く含み、カルシウムの吸収を助けます。
小松菜
野菜の中でもトップクラスのカルシウム含有量を誇り、ビタミンKも豊富です。
チーズ
カルシウムとたんぱく質を手軽にプラスできます。
【栄養価(1人分あたりの目安)】
栄養素 |
含有量 |
エネルギー |
約 310 kcal |
たんぱく質 |
約 16.5 g |
脂質 |
約 25.5 g |
炭水化物 |
約 6.0 g |
- 糖質 |
約 3.5 g |
- 食物繊維 |
約 2.5 g |
食塩相当量 |
約 1.3 g |
カルシウム |
約 380 mg |
ビタミンK |
約 90 µg |
ビタミンD |
約 15.5 µg |
※この数値は、使用する食材のメーカーや種類によって変動します
5.より効率的に骨密度改善を目指すには
毎日の食事で、栄養バランスを考えながら骨密度改善に必要な食生活を実践するには、多様な食材を飽きずに食べ続ける工夫が必要です。そこで活用して欲しいのが、タイヘイの「ヘルシー御膳」です。
PFCバランスを考慮しつつ、1食あたりのエネルギーも調整しているため、忙しい日でも安心して毎食摂取できます。普段の食事にもう一品プラスしたい方は、冷凍骨抜き鮭もおすすめです。
6.まとめ
骨密度の低下は、年齢を重ねるにつれてリスクが高まっていきますが、食生活を工夫することでリスクを抑えることは十分可能です。ポイントは、骨の形成に役立つ食べ物を意識して摂取するほか、骨密度の低下につながる食べ物・飲み物を避けることにあります。
加えて、たんぱく質やビタミン類など、身体を健やかに保つための栄養素もバランスよく摂取することが大切です。しかし、完璧な献立を考えようとすると続けられなくなる恐れがあるため、普段の食事に少しだけ骨に良いものをプラスしながら、無理なく続けることをおすすめします。
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