2025.05.19
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【管理栄養士推奨】コレステロールを下げる朝食|美味しく続けるためのヒント
コレステロールを下げる食生活を実践するには、普段から栄養バランスの良い食事を意識しつつ、3食きちんと食べることが大切です。しかし、普段から朝食を抜きがちな人は、それだけでコレステロール増加のリスクが高まります。
朝食をきちんと食べている人でも、その内容によっては、やはりコレステロールを増やしてしまう恐れがあるため注意が必要です。この記事では、コレステロールを下げる朝食のメニューや、忙しくても朝食を摂り続けるためのポイントも解説します。
目次
1.コレステロールを下げるには朝食が重要
朝から一日を元気に過ごすためには、朝食を摂ることが欠かせません。朝食を摂取することには、体温上昇・脳や身体へのエネルギー補給・体内時計のリズム構築といった様々なメリットがあり、生活習慣病の予防も期待できます。
逆に、朝食を抜いて1日の食事回数を少なくすることは、肝臓における中性脂肪・コレステロールの合成を増大させるおそれがあり、文部科学省の食生活学習教材においても朝食を食べないことのリスクが紹介されています。
また、夕食→睡眠→朝食抜き→昼食という流れで食事する場合、その分絶食の状態が長く続いてしまい、昼食をドカ食いしたくなる欲求にかられるケースも多く見られます。急にたくさんの量を食べてしまうと、それがもとで血糖値を急激に上昇させてしまうリスクがあることから、コレステロールだけでなく血糖値調整の観点からも朝食は重要です。
2.コレステロールを下げる朝食のメニュー
コレステロールを下げる朝食としては、次のようなメニューを意識して毎朝の食卓に取り入れることをおすすめします。
基本は「和食」でまとめる
和食の場合、油の使用を控えめにしたり、コレステロールを含まないごま油のような良質な植物油を選んだりできるため、総じて健康的な朝食の選択肢となります。時間に限りがある朝でも、日持ちする常備菜を用意しておけば、手軽に栄養バランスの整った食事を準備できるでしょう。
例えば、切り干し大根やほうれん草のおひたしなどは、食物繊維とビタミンを手軽に補給でき、特におすすめです。焼き魚が作れない場合はサバ・イワシなど青魚の缶詰も使い、肝臓でのコレステロール合成の抑制効果が期待できる栄養素「DHA」「EPA」を摂取し、悪玉コレステロール値の改善につなげましょう。
洋食の場合はパンと油に注意
洋食の場合、メニューによっては油・コレステロールを多く摂ってしまうことが予想されるため、コレステロールを下げる効果がある調味料、またはコレステロールゼロの調味料を選ぶと安心です。逆に、肉の脂身や鶏肉の皮など飽和脂肪酸が多く含まれる油脂はコレステロールを増やすリスクがあるため、使用時は部位などを考えましょう。
その他、不要なコレステロールを体外に排出するためには食物繊維の摂取が重要になるため、パンを全粒粉パンに変えるなどの方法もおすすめです。
乳製品は「質」と「食べ合わせ」に注意
朝食に牛乳やヨーグルトを選ぶ人は多いかもしれませんが、乳製品には動物性脂質が含まれているため、低脂肪・無脂肪の商品を選ぶのが望ましいところです。また、ヨーグルトはジャム・はちみつなどとの相性が良い食べ物ですが、糖質を多く摂り過ぎると中性脂肪として蓄えられるリスクがあるため、ビタミン・食物繊維を含むフルーツに置き換えましょう。具体的には、りんごや柑橘類、ベリー類などがおすすめです。
3.外で朝食を摂る際のQ&A
外食やコンビニなど、自宅以外で朝食を摂ることを考えている場合は、自炊に比べてコレステロールに気を配るのが難しくなります。以下、外で朝食を摂る際に悩みやすい点について、Q&A形式でまとめました。
Q.外食ではどんなメニューがおすすめ?
外食時は、できるだけ単品ではなく「定食」を食べましょう。牛丼やラーメンなど、外食では一つのメニューだけを食べがちですが、このような食べ方は栄養バランスの偏りを生み、摂取する脂質の量も増えやすくなります。
そのため、色々なおかずをご飯と一緒に食べられる定食を選んだ方が、コレステロールを下げる食事につながります。お店によっては副菜をより健康的なものに変更できるメニューもあるため、柔軟に活用してみましょう。
Q.コンビニでは弁当・おかずはどう選ぶべき?
たくさんの弁当・おかずがあるコンビニでは、油断すると自分の好きなものばかり選んでしまう恐れがあるため、最初に自分だけの「リスト」を作っておきましょう。以下のようなイメージで、定食感覚でリストを組み立てると、スムーズに弁当・おかずを選べるはずです。
炭水化物(主食) |
●おにぎり・パスタ・糖質オフパンなど、1品だけその日の主食を選ぶ ●1品で完結するボリュームの品は選ばないこと |
たんぱく質(主菜) |
●肉・魚・豆腐の中から1品 ●魚や豆腐をできるだけ優先し、肉を選ぶ場合はサラダチキンや焼き鳥(鶏むね肉・ささみなど)といった脂質の少ないものを選ぶ |
食物繊維(副菜) |
●生野菜、または煮物など、野菜がメインの品から1品 ●サラダなどはできるだけボリュームが多いもの、よく噛むものを選び、食べ過ぎを防ぐこと |
汁物 |
●味噌汁、海鮮スープ、野菜スープなど、脂質が低めの汁物の中から1品 ●飽きないよう、毎日違う味のスープを選ぶのが望ましい |
Q.意外と脂質が多いメニューは?
次のようなメニューは、一見ヘルシーに見えますが、意外と脂質が多い傾向にあるため注意しましょう。
メニュー |
1食あたりの量(目安) |
脂質 |
麻婆豆腐 |
250g |
17.0g |
えびグラタン |
250g |
17.3g |
鮭(電子レンジ調理) |
100g |
15.4g |
八宝菜 |
285g |
9.1g |
かきフライ |
100g(3個) |
18.0g |
4.コレステロールを下げる朝食のレシピ
忙しい朝でもコレステロールを下げる料理を作りたいなら、手軽に作れるスープがおすすめです。たんぱく質や食物繊維をバランスよく取り入れて、美味しくいただきましょう。
豆たっぷりトマトスープ
タンパク質と食物繊維が豊富な水煮大豆をたっぷり使い、トマトの酸味と旨味が溶け込んだ、栄養満点な温かいスープです。低脂肪チーズを加えることでコクが増し、満足感もアップします。
朝食にはもちろん、ランチや軽めの夕食にもおすすめです。
【材料 (2人分)】
- 玉ねぎ: 1/2個 (約100g)
- トマト (完熟): 2個 (約300g)
- 水煮大豆: 200g (缶詰またはパック)※ほかの豆類でもOK
- トマトジュース (食塩無添加): 200ml
- 低脂肪チーズ (モッツァレラチーズ またはカッテージチーズ等): 30g
- オリーブオイル: 大さじ1/2
- 水: 100ml
- コンソメ顆粒 (またはブイヨンキューブ): 小さじ1/2
- ローリエ (あれば): 1枚
- ニンニク (みじん切り): 小さじ1/2
- しめじ、マッシュルームなど: 50g
- 塩: 小さじ1/4 (味を見ながら調整)
- 粗びき黒こしょう: 少々
- パセリ (みじん切り): 適量
- バジル (乾燥またはフレッシュ): 適量
【作り方】
1.野菜の下準備:
玉ねぎは皮をむき、みじん切りにします。トマトはヘタを取り、2cmの角にします。しめじなどのきのこは一口大に切っておきます。
2.炒める:
鍋にオリーブオイルを中火で熱し、ニンニクのみじん切りを加えて香りが立つまで炒めます。次に玉ねぎのみじん切りを加え、しんなりとして透明感が出るまで炒めます。 きのこを加えて軽く炒めます。トマトの角切りを加え、軽く混ぜ合わせ、水分が出てくるまで炒めます。
3.煮込む:
水煮大豆(缶汁を切っておく)、トマトジュース、水を鍋に加えます。コンソメ顆粒(または砕いたブイヨンキューブ)、ローリエ(あれば)を加えます。全体を混ぜ合わせ、沸騰したら弱火にし、蓋をして10分ほど煮込みます。時々混ぜてください。
4.チーズを加える:
ローリエを取り出し、低脂肪チーズを加え、溶けるまで混ぜ合わせます。
5.味付け:
塩、粗びき黒こしょうで味を調えます。塩加減は、トマトの酸味やトマトジュースの塩分によって調整してください。
6.仕上げ:
器に盛り付け、お好みでみじん切りのパセリやバジルを散らします。
【コレステロールを下げるポイント】
オリーブオイル:良質な油であるオレイン酸が豊富です。
きのこ:食物繊維が豊富で、コレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。
ニンニク:コレステロールを下げる効果があると言われています。
低脂肪チーズ:脂肪の摂取量を抑えます。
豆類:水溶性食物繊維が豊富で、コレステロールの排出を促す効果が期待できます。
ハーブ:風味を豊かにすることで、塩分を控えめにできます。
【1人分 栄養価(目安)】
- エネルギー: 約 180 – 250 kcal
- たんぱく質: 約 12 – 18 g
- 脂質: 約 8 – 12 g
- 炭水化物: 約 20 – 30 g
- 糖質: 約 15 – 20 g
- 食物繊維: 約 5 – 10 g
- 食塩相当量: 約 0.5 – 1.0 g
※使用するトマト、トマトジュースの種類、チーズの種類、野菜の種類、その他お好みで加える食材によって変動します
5.毎日の朝食に「彩ごころ®」
健康的な朝食を毎日続けようと心がけても、忙しい現代人にとっては難しい日もあるはずです。そんなとき、冷凍庫にタイヘイの「彩ごころ®」があれば、忙しい朝でも栄養士が選んだメニューを電子レンジで温めるだけで食べられます。
野菜もたっぷり入っており、コレステロールを下げるだけでなく栄養バランスにも気を配りたい人に最適です。もう一品プラスしたい日は、常温レトルト惣菜もご活用ください。
6.まとめ
朝食を抜くと肝臓でのコレステロール合成が増え、血糖値調整にも悪影響を及ぼす可能性があるため、コレステロール対策において朝食は極めて重要です。朝食を習慣づけると、体温上昇やエネルギー補給だけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。
メニューは和食を基本とし、肝臓におけるコレステロール合成抑制を意識して、DHA・EPAが豊富な青魚も積極的に摂取しましょう。洋食の場合は全粒粉パンや低脂肪・無脂肪の乳製品を選び、ヨーグルトには糖質の少ないフルーツを合わせるのがおすすめです。
コレステロールを下げる食事について、より詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。
参考先情報
※日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイントhttps://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
※文部科学省「朝食欠食と生活習慣病」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/eiyou/syokuseikatsu/kyouzai06/011.pdf
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