2019.07.01

高血圧対策

血圧の正常値とは?血圧の種類や高血圧の予防策も紹介

血圧の正常値とは?血圧の種類や高血圧の予防策も紹介

コロナ禍で思うように外出できず、運動不足になった、飲酒・喫煙量が以前より増えたという人が少なくないと聞く。これらの行動は高血圧の要因になるといわれているため、気になる人は病院や家庭で血圧を測る機会もあるだろう。

しかし、診察室で測る血圧(診察室血圧)と自宅で測る血圧(家庭血圧)の数値は異なる場合があるため、どちらの正常値を基準にすればいいのか迷うという人もいるはずだ。

そこで今回は、血圧の正常値に関する基礎知識や診察室血圧・家庭血圧の違いについて、高血圧予防のポイントとともに解説する。

1.血圧の正常値

血圧は、大きく正常域血圧と高血圧の2つに分けられる。

先程述べた通り、血圧は計る環境によって診察室血圧と家庭血圧に区分されるが、この章では診察室血圧を例として正常域血圧、高血圧について解説していく。

参照元:高血圧治療ガイドライン2019

正常域血圧はいわゆる正常値と判断される血圧だが、さらに3種類に分けられる。

1-1.正常域血圧

正常域血圧は、いわゆる正常値と判断される血圧だが、正常域血圧の中でも詳細な分類は3種類に分けられる。

正常血圧 収縮期血圧(いわゆる上)が120mmHg未満かつ拡張期血圧(いわゆる下)が80mmHg未満
正常高値血圧 収縮期血圧120~129mmHgかつ拡張期血圧80mmHg未満
高値血圧 収縮期血圧130~139mmHgかつ(または)拡張期血圧80~89mmHg

正常血圧は、病気を発症する可能性は低く、望ましい状態だと考えられ、正常高値血圧であっても治療の必要はないと言われている。

しかし、高値血圧は高血圧になる可能性が高いため、定期的な血圧の測定や治療を勧められるケースもあり、注意が必要だ。

1-2.高血圧

高血圧も、正常域血圧と同様3つに分類される。

Ⅰ度高血圧 収縮期血圧140~159mmHgかつ(または)拡張期血圧90~99mmHg
Ⅱ度高血圧 収縮期血圧160~179mmHgかつ(または)拡張期血圧100~109mmHg
Ⅲ度高血圧 収縮期血圧180mmHg以上かつ(または)拡張期血圧110mmHg以上

一番軽度なⅠ度高血圧であっても、病気などのリスクが伴うため注意しよう。

2.診察室血圧と家庭血圧の2種類がある

血圧は測定する環境により結果が異なる場合があり、病院やクリニックなどで測る診察室血圧と、自宅で測る家庭血圧の2種類に分けられている。

自宅の方が同じ時間や条件で計測しやすく、より正確な血圧情報を得やすいと考えられている。そのため、高血圧の診断や服薬治療の評価指標には、家庭血圧の結果が優先的に用いられることが日本高血圧学会により定められている。

一般的に、家庭血圧は診察室血圧よりも収縮期、拡張期ともに5mmHg程度低くなる。病院という環境に対して緊張してしまい血圧が上がるのに対して、自宅ではリラックスした状態で計測できるため、測定結果に差が生まれることが原因だ。

診察室血圧が高血圧であっても、自宅血圧が正常域血圧であれば、「白衣高血圧」と診断される。また、服薬により診察室血圧が低くなるもの、家庭血圧が高い「仮面高血圧」というケースもある。

3.家庭血圧の測定方法

家庭血圧の測定は、朝晩2回ずつの計測を5~7日間続けて、その平均値を求める方法が一般的だ。平均値が収縮期血圧135mmHgかつ(または)拡張期血圧85mmHg以上であれば、高血圧と診断される。

計測に適したタイミングは、朝:排尿後、食前、起床後1時間以内、夜:就寝前といわれている。いずれも測定前に1~2分間椅子にゆったりと座り、深呼吸などでリラックスしよう。気温も血圧の変化に影響するため、暑すぎる、または寒すぎる場所を避けることも大切だ。

測定に用いる上腕血圧計を装着する時は、腕を机の上にのせ、心臓と高さを合わせるようにすると、正しい結果になりやすい。

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4.高血圧を予防するために心がけたいこと

最後に、高血圧を予防するために、日々の生活で心がけたいことについて紹介する。ひとつひとつは簡単に思えるかもしれないが、毎日継続することを意識して取り組んでみてもらいたい。

4-1.減塩を心がける

高血圧の予防には減塩が有効といわれている。1食あたり2g程度、1日で6g未満の塩分摂取が理想的だ。

本来は段階的に塩分を減らし、徐々に薄味に慣れていくものだが、なかなか馴染めず物足りなさを感じる人もいるだろう。そこで、減塩食をおすすめしたい。素材のうまみやダシを効かせているので、塩気が少なくても味わい深く、十分な満足感を得られるはずだ。

他にも、ケチャップやマヨネーズ、お酢といった減塩・無塩の調味料に置き換えるという手もある。食事が退屈なものになってしまわないような工夫が大切だ。

4-2.有酸素運動を毎日続ける

ややきついと感じる程度のウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動を、毎日30分以上行うことが望ましい。運動により降圧効果が得られるため、食事療法とともに高血圧症の改善には欠かせない。

急な運動は体に負担がかかるため、まずは掃除や買い物で体を動かす、通勤で自転車を使用するなど、生活の中で体を動かす習慣を取り入れていきたい。

4-3.節酒

アルコールは一時的に血圧を下げることもあるが、長期的に飲み続けると血圧を上げ、高血圧の原因になると考えられている。また、日常的な飲酒量が多いほど血圧の平均値が上がり、高血圧症のリスクも高まるため、節酒してほどほどを心がけたい。

一方、アルコールが心筋梗塞や虚血性心臓病を予防する効果も認められており、お酒を飲む人の方が、飲まない人よりも動脈硬化が軽くなることがわかっている。

そこで、1日当たり30ml以下(ビール大瓶1本、日本酒1合程度)を意識して、飲みすぎないように注意したい。

4-4.禁煙

アルコールと違い、タバコが身体に及ぼす影響は負の面が多いため、極力禁煙をおすすめする。

ニコチンは交感神経を刺激し、血圧を上昇させる。また、タバコに含まれる酸化物質が血管の内皮細胞にダメージを与え、血管収縮や血液凝固、動脈硬化の原因になる。さらに、動脈硬化を促進する酸化LDLコレステロールを増加させることもわかっている。

禁煙が難しいという人は、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助グッズの使用や禁煙外来の受診など、自分に合った取り組み方を探してみよう。

4-5.降圧目標を確認する

降圧目標とは、高血圧の人が下げるべき血圧の目安である。現状とのギャップを認識して目標に近づけるモチベーションを維持するためにも、ゴールは明確にしておくと良い。

下記に該当する人は、診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満を目指そう。

・75歳未満の成人

・脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)

・冠動脈疾患患者

・慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)

・糖尿病患者

・抗血栓薬服用中

一方、下記に該当する場合は、診察室血圧で140/90mmHg未満、家庭血圧で135/85mmHg未満を目指すようにしたい。

・75歳以上の高齢者

・脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)

・慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)

ただし、これらの降圧目標はあくまで目安だ。最終的には医師と相談の上で決めよう。

 

5.タイヘイの宅配弁当で手軽に塩分コントロールに取り組もう!

減塩食を取り入れるなら、自炊よりも手軽に塩分をコントロールできる宅配弁当がおすすめだ。食材のうまみやダシを効かせた味わいを追求しているので、物足りなさを感じることなく減塩に取り組めるだろう。

5-1.「ヘルシー御膳」で減塩食に挑戦してみよう

食事療法用宅配食品等栄養指針に基づき、医師が監修したタイヘイの「ヘルシー御膳」はカロリーコントロールが必要な方のための弁当だが、塩分のことも十分考えて作られている。

「ヘルシー御膳 主食付き」は1食あたりの食塩相当量2.0g以下、1日の摂取量6g未満を目指すうえで十分に条件をクリアしている。一方、主食のつかない「ヘルシー御膳 おかず」の食塩相当量は2.5g、減塩食を試してみたい方が初めて挑戦するのにピッタリだ。

「ヘルシー御膳」の詳細はこちら

5-2.本格的な減塩を心がけるなら「彩ごころ」もおすすめ

さらに本格的に塩分を減らしたい方には「彩ごころ」をおすすめしたい。こちらは1食あたりの食塩相当量が1.3g以下に抑えられており、小さな子どもから高齢者まで満足できる優しい味わいが特徴だ。

さらに、1食当たり500円程度で食べられるというのも継続しやすいポイントといえるだろう。

「彩ごころ」の詳細はこちら

6.まとめ

正常域血圧は、正常血圧・正常高値血圧・高値血圧の3種類ある。正常高値血圧までなら治療の必要はないが、高値血圧は高血圧になる可能性があるため注意が必要だ。血圧測定する際は、診察室血圧よりも家庭血圧を優先することも覚えておこう。

高血圧の予防には、減塩に加えて1日30分以上の有酸素運動を毎日継続することだ。さらに、節酒、禁煙も心がけ、降圧目標に近づくよう努力しよう。

 

 

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