2025.10.17

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中性脂肪を減らすには?食事・運動・生活習慣から整える効果的な方法

中性脂肪を減らすには?食事・運動・生活習慣から整える効果的な方法

健康診断で「中性脂肪が高めですね」と指摘されても、自覚症状がないため、そのまま放置してしまう方は少なくありません。しかし、中性脂肪の蓄積は静かに進行し、将来的に動脈硬化や心疾患といった深刻な病気につながるリスクを秘めています。

この記事では、中性脂肪を効果的に減らすために必要な食事・運動・生活習慣の改善方法を、実践しやすいポイントに絞ってお伝えします。

1.中性脂肪とは?体内での役割と増えすぎるリスク

中性脂肪(トリグリセリド)は、私たちの体にとって欠かせないエネルギー源のひとつです。食事で摂取した余分なエネルギーが脂肪として蓄えられ、必要なときに燃焼して活動の原動力となります。さらに、体温を一定に保ち、内臓を外部の衝撃から守る”クッション材”としての役割も果たしています。

ただし、この中性脂肪が過剰に蓄積すると、血液がドロドロになり、血管の内壁に脂質が沈着。動脈硬化や脂肪肝、心疾患などの生活習慣病リスクを高める要因となります。

特に40代以降は基礎代謝が低下し、同じ食事量でも中性脂肪が増えやすくなる傾向があります。

  • 中性脂肪が高いと動脈硬化や脂肪肝のリスクが上昇
  • 糖質やアルコールの過剰摂取で肝臓が中性脂肪を合成
  • 「隠れ肥満」や「痩せていても脂質異常症」のケースも

健康維持のためには、単に体重を減らすだけでなく、中性脂肪を”効率よくエネルギーとして使える体”に整えることが重要です。

健診項目と深く関わる栄養素・食品群(栄養士解説)

健康診断の数値は、日々の食生活の「通知表」とも言えます。
特に血糖、脂質、肝機能、尿酸といった項目は、特定の栄養素や食習慣と密接に関わっています。

健診項目 関連する栄養素 注意する食品群
アドバイス 
中性脂肪 糖質、
飽和脂肪酸、
EPA・DHA
精製糖質, アルコール,
揚げ物・加工食品
糖質を控え、脂質の質を見直す。青魚のEPA・DHAを意識。
血糖値 糖質(精製糖)、
食物繊維, ビタミンB群
精製糖, 清涼飲料水
ベジファーストを徹底。白米を玄米や雑穀米に置き換える。
LDL-C

飽和脂肪酸、
コレステロール

肉の脂身, バター,
揚げ物・加工食品
飽和脂肪酸を控え、良質な脂質(青魚、ナッツ等)を適量摂る。
肝機能
(AST,ALT,
γ-GTP)
たんぱく質、
ビタミンB6、
アルコール
アルコール,
糖質の過剰摂取
飲酒量を控えめに(週2~3回以内)。良質なたんぱく質を適量摂る。
尿酸値

プリン体、
アルコール、

高プリン体食品,
アルコール(ビール)
飲酒を控え、水分を十分に摂り、尿酸の排出を促す。

小さな工夫の積み重ねが、体の軽やかさや活力の向上、そして健康診断の数値改善につながります。

2.中性脂肪を減らすには?食生活改善のポイント

中性脂肪を減らす第一歩は、食事内容の見直しです。特に糖質と脂質のバランスを整えることで、血中脂質を正常化させることができます。日々の食事におけるちょっとした選択が、体内の脂質バランスに大きく影響します。

  • 精製糖(白米・パン・菓子類)を減らし、食物繊維を多く摂る
  • 青魚(サバ・イワシ・サンマなど)のEPA・DHAを意識する
  • アルコールは週2~3回以内にとどめ、量を控えめにする
  • 間食には寒天ゼリー、こんにゃくゼリー、高カカオチョコレートなどを選ぶ
  • ナッツ類や無糖ヨーグルトもおすすめ(※ただしナッツは油分が多いため摂りすぎに注意)

背景として、糖質の過剰摂取は肝臓で中性脂肪に変換されるため、まずは”糖質を控え脂質の質を見直す”ことがポイントです。特に、飽和脂肪酸を多く含む揚げ物や加工食品は控え、魚やナッツ、オリーブオイルなどの「良質な脂質」を適量摂ることが理想的です。

また、食物繊維やビタミンB群を多く含む野菜・きのこ・海藻を取り入れ、食後の血糖値上昇をゆるやかにする「ベジファースト(野菜から食べる)」の食べ方も有効です。こうした日常の工夫が、自然に中性脂肪を減らす体質づくりにつながります。

3.運動で中性脂肪を減らす!効果的な運動習慣とは

中性脂肪を効率的に減らすには、食事制限だけでなく「燃焼力を上げる運動習慣」が欠かせません。

多くの人が疑問を持つポイントを踏まえ、Q&A形式で紹介します。

Q.有酸素運動と筋トレ、どちらが効果的?

A.基本は有酸素運動(ウォーキング・サイクリングなど)を20~30分以上継続することが効果的。筋トレと併用することで基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効率がさらに向上します。

Q.毎日やらないと効果はない?

A.毎日行う必要はなく、週3~4回でも十分な効果があります 。最も大切なのは、無理なく継続し、運動を習慣化することです 。小さな積み重ねでも、確実に脂質改善につながります 。

【日常生活での工夫】

  • 食後の散歩を習慣化: 特に夕食後の軽いウォーキングは、血糖値の上昇を抑えつつ脂肪燃焼を促す効果が期待できます。
  • 座る時間を減らす: 運動以外の時間でも、意識的に立ち上がったり、ストレッチをしたりして、生活活動量を増やしましょう。
  • 中強度を意識: 脂肪燃焼を促すには、「ややきつい」と感じる中強度での運動が効果的です。

Q.運動時間は朝と夜どちらがいい?

A.脂肪燃焼という観点では、空腹時や食後2時間以降の運動が効果的とされています 。

【時間帯別のポイント】
朝 (空腹時) の運動
体内の糖質が少ない状態で行うため、エネルギー源として体脂肪が使われやすく、脂肪燃焼効率が高いとされます。ただし、低血糖による体調不良(めまいなど)には注意が必要です。

夜 (食後2時間以降) の運動
食後の血糖値上昇を抑える効果が期待できます 。運動後に質の良い睡眠につながる場合もありますが、就寝直前の激しい運動は避けましょう。

日常の中で階段を使う・早歩きを心がけるなど、小さな工夫でも効果はあります。

4.中性脂肪を減らすための一汁三菜バランスレシピ

中性脂肪を減らすことに特化した、一汁三菜(主菜1品、副菜2品、汁物、ご飯)のバランスレシピをご提案します。青魚のEPA・DHA、野菜の食物繊維、そして調理法に重点を置いた献立です。

分類

メニュー

中性脂肪に効果的な成分

主菜

鮭とたっぷりきのこのホイル焼き

EPA・DHA、食物繊維

副菜一

ほうれん草のごま和え

食物繊維、マグネシウム

副菜二

たたききゅうりの酢の物

カリウム、酢(血糖値対策)

汁物

わかめと豆腐の味噌汁

食物繊維、大豆イソフラボン

ご飯

玄米(または雑穀米)

食物繊維

また今回は、中性脂肪を減らすための献立から、特に重要な主菜のレシピを詳しくご紹介します。

主菜:鮭とたっぷりきのこのホイル焼き

 

ホイル焼きは、鮭のEPA・DHAを逃さず、調理油もほとんど使わずに済むヘルシーな調理法です。
きのこは食物繊維が豊富で満腹感も得られます。

<材料(2人分)>

食材

分量

生鮭 切り身(皮付きでOK)

2切れ

玉ねぎ(薄切り)

1/2個

お好みのきのこ(しめじ・えのき・舞茸など)

合わせて200g

ポン酢

大さじ2

大さじ1

バター (またはオリーブオイル少々)

5g

レモンの薄切り

2枚

塩・こしょう

少々

アルミホイル

2枚

<作り方>

  1. 鮭に軽く塩・こしょうを振り、玉ねぎは薄切りに、きのこは石づきを取ってほぐします。
  2.  アルミホイルを広げ、中央に玉ねぎを敷き、その上に鮭を乗せます。鮭の周りにきのこをたっぷり詰めます。
  3. 鮭ときのこ全体に酒を振り、ポン酢をかけます。お好みで鮭の上にバターまたはオリーブオイルを少量乗せます。
  4. 鮭の上にレモンの薄切りを乗せ、アルミホイルをしっかりと閉じます。
  5. オーブントースターまたは魚焼きグリルで、10~15分ほど加熱。鮭に火が通り、きのこがしんなりしたら完成です。

ポイント

  • 良質な脂質鮭のEPA・DHAは中性脂肪を下げる働きがあります。
  • 食物繊維が多いきのこをたっぷり入れることで、血糖値の急上昇を防ぎ、食べ過ぎを予防します。
  • ノンオイル調理を意識。バターを控えたり、完全に省いたりすることで、脂質やエネルギーを大幅にカットできます。

5.無理なく続けるためのコツとタイヘイファミリーセットの活用

中性脂肪を減らすためには、継続できる環境づくりが鍵です。忙しい日常でも実践しやすい工夫を取り入れましょう。

  • 週末に作り置きをして食生活の乱れを防ぐ
  • 1日1回、脂質控えめのメニューに置き換える
  • レトルトや冷凍商品を上手に活用し、外食頻度を減らす

また、外食をする際は「揚げ物中心の定食を避ける」「ご飯を少なめにする」「野菜や魚料理を多めに選ぶ」などの工夫で、脂質と糖質の摂りすぎを防ぐことができます。特に夜の外食では、アルコールや高脂肪メニューを控えることで中性脂肪の上昇を抑えられます。

タイヘイファミリーセットの宅配冷凍弁当は、専門医や管理栄養士が監修した献立で、栄養バランスを考慮。カロリーを抑えつつ美味しく食べられるため、無理なく続けられます。食事管理の習慣化をサポートする便利な選択肢です。

6.まとめ

中性脂肪を減らすには、食事・運動・生活習慣の三本柱をバランスよく改善することが大切です。まず食事では、糖質の過剰摂取を控え、青魚のEPA・DHAや食物繊維を意識的に取り入れます。運動面では、週3~4回の有酸素運動を20分以上継続し、筋トレを組み合わせることで基礎代謝を向上させます。

これらの改善は一朝一夕には成果が現れませんが、小さな積み重ねが確実に体を変えていきます。完璧を求めすぎず、できることから始めて、少しずつ習慣化していくことが成功への近道です。健康診断の数値が改善されるだけでなく、体の軽やかさや活力の向上も実感できるはずです。

毎日の選択が未来の健康を作り上げることに繋がるので、今日から始められる小さな一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

柳沢 真子

 監修者プロフィール

柳澤 真子(mako yanagisawa)

管理栄養士フードスペシャリスト

タイヘイファミリーセットの商品開発やレシピ構成を担当。本記事を含め、多数の健康コラムを管理栄養士の観点で監修。血圧や血糖値・糖質や塩分の制限などを受けている方や忙しい方が時短・簡単に栄養バランスのとれた食事をご家族に提供できるよう、毎日おいしく健康的な食生活をサポートします。

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