2025.07.18
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中性脂肪だけ高いのはなぜ?原因と改善策を食生活の観点から解説
健康診断の血液検査で、他の数値には異常が認められなかったのに、中性脂肪だけが高くて驚いた経験がある人も多いでしょう。中には「コレステロールは高くないから大丈夫」と考えている人もいるかもしれませんが、放置すれば糖尿病や動脈硬化に至るリスクも高くなります。
中性脂肪が高いと「脂質の摂り過ぎ」を疑いがちですが、実は「糖質の摂り過ぎ」も中性脂肪の値を高めるリスク要因の一つです。この記事では、中性脂肪が高くなる原因と改善策を、主に食生活の観点から解説します。
目次
1.中性脂肪だけが高い主な原因
中性脂肪は、体内の中でもっとも多い脂肪で、食べ過ぎ・飲み過ぎによって増える傾向にあります。一般的には、脂っこい食事を続けて脂質が溜まってしまうケースを想像する人が多いかもしれませんが、食事から摂取した糖質がエネルギーとして利用されず、余った場合に変化して蓄えられるケースもあります。
公益社団法人 日本人間ドック・予防医学学会によると、中性脂肪の基準範囲等の値は以下の通りです。
基準範囲 |
30~149 |
要注意 |
150~499 |
異常 | 29以下、または500以上 |
※参考:公益社団法人 日本人間ドック・予防医学学会「検査票の見方」
https://www.ningen-dock.jp/public_method/
食生活の観点から、中性脂肪がコレステロール値など他の値に比べて高くなる理由としては、次のようなものがあげられます。
- 主食やおやつ、ジュースなどで糖質を摂り過ぎてしまう
- アルコールの過剰摂取
- ストレスの蓄積(食べ過ぎを誘発するなど)
アルコールに関しては、厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しています。1日あたりの純アルコール摂取量が男性40g・女性20g以上になると、生活習慣病のリスクが高まるため、以下公式に当てはめて1日あたりの適量を計算することが大切です。
【摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)】
また、普段の生活でストレスが蓄積すると、食べ過ぎ・飲み過ぎを引き起こす一因となります。中性脂肪の値を改善したいなら、これらの原因に注目して対策を講じる必要があるでしょう。
2.中性脂肪だけが高い原因の改善策
中性脂肪だけが高い人が、食生活の改善を講じる際は、次のような改善策を試してみてください。
主食の摂取量を減らす
中性脂肪には、糖質がエネルギー源として脂肪に変化したものも含まれるため、特段飲酒や脂っこい食事をしていない場合、主食の摂取量を減らすことが重要です。具体的には、1食で摂取する糖質を20~40gに抑える「ロカボ」が無理なくチャレンジしやすいのでおすすめです。
ロカボとは、一般社団法人 食・楽・健康協会が推奨する糖質制限の方法です。1日の糖質量を70~130g以内に抑えれば、お腹いっぱい食べてもよいというルールとなっています。
1食あたりのご飯の目安は「半膳」ですが、肉や魚は制限なく食べられるため、満腹感を得ながら糖質制限することが可能です。
DHA・EPAを多く含む青魚を摂取する
青森県商工労働部新産業創造課の「EPA・DHA を用いた機能性に関する調査報告書」によると、中性脂肪値が高めの人が魚由来のDHA・EPAを継続的に摂取することで、血中中性脂肪を低下させることが分かっています。
DHA・EPAはイワシ・サバなどの青魚に多く含まれるため、1週間に5食以上魚を食べるのが理想ですが、まずは無理のない範囲で食卓に取り入れましょう。
※参考2:青森県商工労働部新産業創造課「EPA・DHA を用いた機能性に関する調査報告書」
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/sangyo/innovation/files/kinosei_EPA-DHA.pdf
アルコールを控えるよう工夫する
毎日お酒を飲む習慣がある人は、意識的にアルコールの摂取を控えることが重要です。例えば、水割りにして飲んだり、チェイサー(水)を用意したりして、お酒の摂取量を減らせるよう工夫したいところです。
ハイボールなどが好きな人は、アルコールを入れずに無糖の炭酸水を飲むのもおすすめです。
調理法を工夫する
揚げ物が大好きなど、油を使った料理を多く食べる機会がある人は、他の調理法でおいしくいただける料理を選ぶようにしましょう。しゃぶしゃぶやスープ、煮物などの調理法がおすすめです。
肉を選ぶ際は脂身の少ないものを選び、鶏肉は皮を取り除いて調理するとよいでしょう。
3.改善策を講じる際のQ&A
食生活の改善が大切と分かっていても、いざ実践しようとすると様々な疑問や壁にぶつかるはずです。そこで、中性脂肪を減らす生活を始めるにあたり、よくある質問をQ&Aでご紹介します。
Q.ご飯の量を減らすと仕事に集中できない。どうすればいい?
A.糖質の制限に慣れていない場合は、白飯の摂取量を単純に減らすのではなく、低糖質米など糖質が低く抑えられているご飯を食べるとよいでしょう。こんにゃくを米粒状に加工したものと白米をブレンドしたものもあるため、賢く利用したいところです。
満腹感を増やす観点からは、最初に食物繊維が豊富な野菜・キノコを食べて、次に肉・魚・大豆などのたんぱく質を摂取し、最後に主食である米やパンなどを食べるよう順番を決めるのがおすすめです。主食を最後に食べることで、血糖値の急上昇を抑えることにつながります。
Q.毎日青魚を摂取するにはどんな方法がおすすめ?
A.イワシやサバは缶詰で売られており、骨まで食べられるよう柔らかく加工されている商品が多く見られます。サラダにしたりパスタに加えたり、スープにしたりと幅広い調理法にマッチするため、青魚の缶詰を一定量ストックしておくと便利です。
刺身が好きなら、食べたい分だけスーパーで購入してもよいでしょう。
Q.仕事上の飲酒はどう対策したらいい?
A.中性脂肪を減らす観点からは、まず糖質を制限するのが望ましいため、ビール・ワインなどの醸造酒ではなく焼酎・ウイスキーなどの蒸留酒を飲むのがおすすめです。どうしてもビールが飲みたい場合などは、糖質ゼロ・糖質オフの商品を探してみましょう。
4.中性脂肪値低下が期待できるレシピ
青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血中の中性脂肪を減らす働きがあることで知られています。今回は、そんな青魚を使った、とっておきのレシピをご紹介します。
サバ缶とたっぷりきのこのトマト煮
中性脂肪対策の強い味方であるサバ缶のEPA・DHAと、きのこの食物繊維を一度に摂れる、簡単で美味しい一品です。トマトのリコピンも健康をサポートします。
【材料(2人分)】
サバ水煮缶 |
1缶(固形量約140g、総量190g) |
玉ねぎ |
1/2個(約100g) |
しめじ |
1/2パック(約75g) |
舞茸 |
1/2パック(約75g) |
カットトマト缶 |
1/2缶(200g) |
にんにく |
1かけ(約5g) |
オリーブオイル |
大さじ1(12g) |
コンソメ(顆粒) |
小さじ1(約2.5g) |
塩 |
少々(約0.5g) |
こしょう |
少々 |
乾燥パセリ |
あれば適量 |
【作り方】
1.玉ねぎは5mm幅の薄切りに、しめじは石づきを切り落とし、小房に分けます。舞茸も食べやすい大きさに分けてください。にんにくは皮をむき、細かいみじん切りにします。
2.フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切りを入れ、焦がさないように弱火にかけます。にんにくの香りがしたら、玉ねぎを加え、中火で少ししんなりとするまで炒めましょう。(目安:3〜4分)
3.玉ねぎに火が通ったら、きのこを加えてさっと炒め、具材全体に油が回ったらサバ水煮缶を汁ごと加えます。カットトマト缶とコンソメ顆粒も加え、サバの身を大きめにほぐしながら、全体を優しく混ぜ合わせます。
4.煮立ってきたら、火を少し弱め、蓋をせずに5〜7分ほど時々混ぜながら煮込みます。
5.味見をして、足りなければ塩、こしょうで味を調えます。
※(サバ缶に塩分があるので、塩は少しずつ加えてください)
6.最後に器に盛り付け、お好みで乾燥パセリを散らしたら完成です。
バゲットを添えたり、パスタソースとして活用したりするのもおすすめです。
【栄養価(1人分あたりのおおよその目安)】
- エネルギー:約 325 kcal
- たんぱく質:約 20.5 g
- 脂質:約 19.8 g
- 炭水化物:約 14.5 g
- 糖質:約 10.0 g
- 食物繊維:約 4.5 g
- 塩分相当量:約 1.7 g
※この数値は、使用する食材や調味料のメーカーによって変動しますので、あくまで目安としてご活用ください
【ポイント】
- 脂質の数値はやや高めに見えますが、その多くは中性脂肪の低下に役立つサバのEPA・DHAです。
- きのこや玉ねぎ、トマトから約4.5gの食物繊維が摂れます。
- 食物繊維は、糖や脂肪の吸収を穏やかにする働きが期待できます。
- 筋肉や体の組織を作る上で重要なサバ缶から、たんぱく質も十分に補給できます。
5.中性脂肪の数値改善に「糖質少なめセット」を
普段の食事で中性脂肪値を改善するには、毎日の積み重ねが大切です。しかし、忙しい中で栄養バランスを考えた食事を継続するのは難しいため、タイヘイの「糖質少なめセット」をご活用ください。
タイヘイのヘルシー御膳「糖質少なめセット」は、エネルギー・塩分調整食のヘルシー御膳の中から、糖質が17.0g以下のおかずをピックアップしています。忙しい朝でも電子レンジで温めるだけで食べられるため、自炊ができないときも安心です。
6.まとめ
中性脂肪は、普段の食事で脂質や糖質をたくさん摂取することで蓄積されるため、摂取量の制限を意識した食生活に切り替えることが大切です。主食の摂取量を控えるだけでなく、アルコールも適量にとどめ、血中中性脂肪を低下させるイワシ・サバなどの青魚も積極的に摂取しましょう。
油を使わない調理法に切り替えるだけでも、脂質の摂取量を減らすことにつながります。中性脂肪を減らす食材について、より詳しく知りたい人は、以下の記事もおすすめです。
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