2019.09.27

高血圧対策

アルコールで血圧は上がる?適度な飲酒量とは?

アルコールで血圧は上がる?適度な飲酒量とは?

血圧が高めだと、毎日の飲酒量が心配になる人も多いだろう。
今回は、アルコールが血圧に与える影響、健康を保つための飲酒の適正量について解説する。

1. 飲酒制限は、高血圧改善に必要である

飲酒制限は、高血圧の治療において推奨されており、生活習慣病の改善にもつながる。
まずは飲酒によって血圧が上がる理由と、飲酒制限で血圧が下がる理由から解説する。

1-1.飲酒で血圧が上がる

飲酒量が増えるほど、血圧が高くなることがわかっている。
体内に吸収されたアルコールは、酵素によってアセトアルデヒドに変化する。アセトアルデヒドが血液中に増加し、血管を拡げるため、飲酒後の血圧は一時的に低下する。
しかし、飲酒が続くとアセトアルデヒドが酢酸に変化し、血中濃度が下がるため、血管が収縮し、結果的に血圧は上昇する。
特に1日あたりの飲酒量が日本酒1.3合弱以上の人は、飲まない人に比べて、血圧が高い数値であることが報告されている。

1-2.飲酒制限で血圧が下がる

長期にわたる飲酒が血圧上昇をもたらす一方、飲酒制限は血圧の低下に効果があることも明らかにされている。
いくつかの研究をまとめた分析(メタ解析)では、アルコール制限によって血圧は平均で収縮期3mmHg、拡張期2mmHgほど低下することが報告されている。
この降圧効果は、血圧が高い人ほど大きくなることが判明している。
行き過ぎた飲酒は、血圧を上げるだけでなく、降圧薬が効きにくい治療抵抗性高血圧の原因にもなる。ビール1本までなど具体的な目標を立て制限すべきである。

2. アルコールが健康に与える影響

ここからは、アルコールが健康にどのような影響を与えるのかを解説する。

2-1.悪い影響

長時間・過度な飲酒を続けると、血圧が上がり高血圧以外にも様々な病気につながる可能性がある。
例えば、1日に日本酒2合程度以上飲むと、飲まない人に比べ、脳血管障害、がん、事故死などの死亡リスクが上がるとの研究結果がある。
内臓への負担はもとより、精神や神経にも悪影響を及ぼし、アルコール依存症になる危険も大きい。

2-2.良い影響

一方で、適量のアルコールには医学的な長所もある。
1日に日本酒1合程度を嗜む人は、全く飲まない人に比べて、循環器病の死亡率が低いことが分かっている。
適度な飲酒は、心筋梗塞や閉塞性動脈硬化症の予防になり、脳梗塞も少量のアルコールで予防につながる。
ただし、これは適正な量を適切な条件のもと摂取した場合であり、体質などによって効果は異なる。アルコールは悪影響があることを常に念頭に置き、非飲酒者には無理に勧めないことが大切である

3.厚生労働省が認める“適度な飲酒”とは

最後に、厚生労働省が認める「節度ある適度な飲酒」の目安について紹介する。
厚生労働省では、純アルコールで20g/1日 程度の飲酒が節度ある適度な飲酒としている。
日本人男性の1日の目安量は、「ビール500ml缶1本」「日本酒1合」「酎ハイ350ml
缶1本」「ウイスキーダブル1杯」などである。
ただ、女性や高齢者はアルコール分解速度が遅い傾向にあるため、上記基準量の1/2~2/3程度に抑えることが推奨されている。
また、顔が赤くなるフラッシング反応がみられる人も、分解速度が遅い傾向にあり、摂取量を抑える必要がある。
健康のためには、1日ビール1缶以下にし、食事と一緒にとるようにするのが望ましい。
週に2日は休肝日を設け、運動中、入浴中、就寝前、投薬中はアルコールを控えるのが理想的な飲酒習慣といえる。

4.まとめ

飲酒は血圧を上げることが報告されており、飲酒制限は高血圧治療や生活習慣病の改善につながる。
過度な飲酒は循環器病や依存症などの恐れがあるが、適量の飲酒には病気予防などの医学的利点もある。
ただし、体質などにより条件は異なるので、適正な飲酒量を踏まえつつ、自分の体調に合わせた飲酒量と習慣を身につけることが大切である。